出版社内容情報
社史すら存在しない封印史
満洲崩壊後、いったい何が起きたのか?
最後の満映社員が遺した衝撃の「事実」の数々。
中華人民共和国第一作の映画スタッフは日本人だった。
甘粕正彦が君臨し、李香蘭が花開いた国策映画会社・満洲映画協会。その実態、特に満洲崩壊後の軌跡は知られていない。
内田吐夢監督や元社員が詳細を話してこなかったからだ。
原節子主演の日独合作映画『新しき土』に参加後、満映に入社し、敗戦後は中国映画の草創を支えた映画編集者、岸富美子。
最後の証言者の氏が遺した秘史の数々!
■「精簡」(精兵簡政、人員整理の意)に仲間を追いやった日本人は最後までその非を認めなかった
■中国、北朝鮮の映画人を教育したのは元満映社員だった
■日本映画界は東北電影製片廠(旧満映)社員だった人にアカとレッテルを貼り、復職を妨害した
■一億五千万の中国人がみた『白毛女』の編集者は岸富美子
■甘粕の自死は責任からの逃避に過ぎない
※本書は2015年8月に文藝春秋社より刊行された『満映とわたし』を改題の上、加筆修正して刊行したものです。
【目次】
まえがき
序 章 出会い
第一章 映画界に引き寄せられた兄たち
第二章 第一映画社--伊藤大輔と溝口健二
第三章 『新しき土』と女性編集者アリスさん
第四章 満映入社、中国へ
第五章 甘粕理事長と満映の日々
第六章 玉砕直前の結婚式
第七章 甘粕自決、ソ連軍侵攻
第八章 国共内戦の最中、鶴崗へ
第九章 「学習会」と「精簡」
第十章 映画人、炭鉱で働く
第十一章 北朝鮮からの誘い
第十二章 国民的映画『白毛女』
第十三章 満映の技術は中国に受け継がれた
第十四章 十四年ぶりの祖国
終 章 日中満映社員たちの戦後
あとがき
主要参考文献一覧
内容説明
甘粕正彦が君臨し、李香蘭が花開いた国策映画会社・満洲映画協会。その実態、特に崩壊後の軌跡は知られていない。満鉄と違い、戦後も社史すら作られなかったからだ。元社員が証言を控えた背景には、敗戦直後も帰国後も続いた同僚や映画人による「選別」があった。原節子主演の日独合作映画『新しき土』に参加後、満映に入り、戦後は中国映画の草創を支えた映画編集者が遺した満映秘史!
目次
出会い
映画界に引き寄せられた兄たち
第一映画社―伊藤大輔と溝口健二
『新しき土』と女性編集者アリスさん
満映入社、中国へ
甘粕理事長と満映の日々
玉砕直前の結婚式
甘粕自決、ソ連軍侵攻
国共内戦の最中、鶴崗へ
「学習会」と「精簡」
映画人、炭鉱で働く
北朝鮮からの誘い
国民的映画『白毛女』
満映の技術は中国に受け継がれた
十四年ぶりの祖国へ
日中満映社員たちの戦後
著者等紹介
石井妙子[イシイタエコ]
昭和44(1969)年、神奈川県生まれ。東京都育ち。白百合女子大学国文科卒業。同大学院修士課程修了。お茶の水女子大学女性文化研究センター(現・ジェンダー研究所)に教務補佐員として勤務後、囲碁観戦記者を経て、ノンフィクション作家として活動を始める。平成28(2016)年、『原節子の真実』(新潮社)で第15回新潮ドキュメント賞受賞。令和3(2021)年には『女帝 小池百合子』(文藝春秋)で第52回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞する
岸富美子[キシフミコ]
大正9(1920)年、中国奉天省営口で生まれる。15歳で京都の第一映画社に入社し編集助手となる。溝口健二、伊藤大輔といった巨匠作品を手伝った後、日独合作映画『新しき土』に参加。昭和14(1939)年、満洲に渡り満洲映画協会(満映)に入社。敗戦後、中国共産党とともに行動し、昭和28(1953)年まで中国映画の草創期を支える。帰国後はフリーランスとして主に独立プロで映画編集を手がけた。平成27(2015)年、映画技術者を顕彰する「一本のクギを讃える会」から長年の功績を表彰された。令和元(2019)年5月、永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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