内容説明
09年WBC決勝韓国戦、イチロー「伝説の一打」陰にはこの男がいた―一軍コーチよりも高給取り、観察と分析で日本と世界を制した伝説の日本人スコアラー初著作!巨人軍在籍40年データ分析の神髄。
目次
序章 残されていたWBCでの大仕事
第1章 職業、スコアラー
第2章 スコアラーはここを見ている―打者編
第3章 スコアラーはここを見ている―バッテリー編
第4章 編成部で生かされたスコアラーの視点
終章 元巨人軍スコアラーとして
著者等紹介
三井康浩[ミツイヤスヒロ]
1961年、島根県生まれ。出雲西高等学校時代に強打で鳴らし、1978年ドラフト外で読売巨人軍に入団。腎臓疾患を患い、1984年に現役を引退。引退後は、巨人軍二軍マネージャーを経て、スコアラー、査定室長、編成統括ディレクター、編成本部参与などを歴任。入団から退団まで、40年間にわたり巨人軍を支え続けた。2009年のWBC第2回大会(ワールド・ベースボール・クラシック)では、日本代表チームのチーフスコアラーという大役を務め、世界一に貢献している。現在は、各メディアで野球解説をする傍ら、セミナーや野球教室なども行う。合同会社スリップストリーム所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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けんとまん1007
58
スコアラー、確かに、漠然としたイメージしかない。データ、情報の取り方から、それを、どう分析をして活かすか。ここでは野球というスポーツがメインであり、人が自分の精神的・身体的能力を動員して結果につながる。しかも、相手があるし、自然状況もある。負けにくくするための・・というフレーズが、何となく、納得するものがある。そのためには、観察とそれを積み重ねて分析すること。そのうえで、どう判断し、どう伝えるか。奥が深い。2022/01/08
Y2K☮
35
やはり野球は知的で奥深いスポーツだ。投球時の癖、打者の狙い球を見抜くためには目を凝らす必要があるが、目に映るものが全てでもない。時には数字さえも当てにならない。150キロ超の剛球もえげつない変化球も持たない杉内俊哉がなぜあそこまで三振の山を築けたか。イチローは本塁打を量産する力が無かったのではないし、松井秀喜も打率を残せなかったわけではない。そして彼らの成功の陰にあるのは目に見えない「無形の力」だ。上っ面のデータや前年比ではなく、そういった諸々の細かい貢献度を理解した著者みたいな人の基準で査定して欲しい。2020/03/01
フク
23
待ちに待った年明けに向けて気分を上げる。スコアラーによる選手の見方は興味深く、特に名打者の球の待ち方は勉強になる。何の役の立つのかは知らんが。2020/06/19
マッちゃま
20
前に阪神の元スコアラーさんの本を読ませていただきましたが本書を見つけた時は心が踊りましたよ。本書は我が巨人の元スコアラーさんが書いた本。やはり同じ職種でも人が変われば見方も書き方も違ってきますね(どっちが上とかではなく)ただ言えるのは、いくらスコアラーが頑張ろうと、その戦略が上手く活かされなければ意味がない。情報を受け取る側、情報を発信していく側、そのどちらにも不備があってはいけないワケですね。当時から僕が嫌いだった川上に今中(中)、佐々木(横)についての対策(いつもヤられてたから)は読み応えありました。2020/06/08
koji
19
今年は贔屓チームが久し振りに躍進し真剣にプロ野球を見続けました。すると当然いろいろ気になる所がでてきます。スコアラーもその一つ。著者の三井さんは、現役僅か5年ながら、巨人のスコアラー・査定室長・編成統括ディレクター等、WBC日本代表チーフスコアラーとして40年に渡り日本のプロ野球を支え続けた(おかしな言い回しですが)名裏方です。本書から見習うべきは、観察眼とプロとしてのプライド。そして監督、コーチ、選手から質問された時、どんな場面でも的確に受け答えできるよう心掛け集中し続けた姿勢。自身の甘さに気づきました2020/11/24