出版社内容情報
戦後七〇年を迎える日本が瀕する外交の危機、そして危機における外交の在り方とは。首相談話、靖国、尖閣、慰安婦と徴用工、北方領土の五つの論点から中韓米露関係を考える。元外交官が「遺言」として綴る打開策。
内容説明
戦後七〇年を迎える日本が瀕する外交の危機、そして危機における外交の在り方とは。首相談話、靖国、尖閣、慰安婦と徴用工、北方領土の五つの論点から中韓米露関係を考える。元外交官が「遺言」として綴る打開策。
目次
はじめに 国民に伝わらない外交危機
第1章 戦後七〇周年談話―近代日本をいかに総括するか
第2章 靖国問題―首相参拝停止のモラトリウムの後に
第3章 尖閣問題―対中国外交と日本の安全保障
第4章 慰安婦問題と徴用工問題―国交正常化五〇年目の対韓国外交
第5章 北方領土問題―ウクライナ危機以後の日ロ関係
おわりに 危機を打開する外交戦略
著者等紹介
東郷和彦[トウゴウカズヒコ]
京都産業大学教授。世界問題研究所所長。1945年生まれ。東京大学教養学部卒業後、外務省に入省。主にロシア関係部署を中心に勤務し、条約局長、欧亜局長、駐オランダ大使を経て2002年に退官。その後、ライデン大学、プリンストン大学、ソウル国立大学ほかで教鞭をとり、09年ライデン大学で博士号。10年より現職。11年より静岡県対外関係補佐官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mitei
255
著者は元外交官ながら日本の利益を真剣に考えていることが伝わった。外交って難しいなぁと思った。どんどん国際情勢が変わる中注視していきたい。2015/07/23
masabi
9
元外交官にして現京都産業大学教授の筆者が近年発表した論考を収録している。歴史認識問題、領土問題を中心に論じる。日本は中国、韓国、ロシアに対して歴史問題とナショナリズムとが合わさった複合的な問題を抱えている。それぞれが単独の問題でも難題だが、日本は中韓連携と中露の接近というより困難な事態に直面する。筆者の提言は相手の立場を理解した上で双方が納得し得るものではあるが、その実現に際しては政府国民両方に賢慮を求めることになる。2016/01/03
Happy Like a Honeybee
7
中国、韓国、ロシアとの諸問題。地政学的には不可避だろう。 外交の専門家だけあり、歴史的背景の理解が深まった。 慰安婦問題で中国と韓国が連携したら?佐藤優氏の言う、遠隔ナショナリズム…。 日韓の司法戦争。近代日本を再考できる一冊。2015/09/13
松村 英治
2
妥協ではなく、確固たる信念があれば、51を譲っても勝負には勝てるということか。2015/09/10
なお
1
相手に51を譲る交渉の意義は分かります。ただ突然領土を主張してきた尖閣問題や解決したはずの徴用工問題でも交渉のテーブルに座り相手に譲歩しなけれはならないのはどうにも感情的に反発してしまいます。でも、それでは交渉は進まないのは確実であり元外交官として現実的な提案もしくは考え方を提示してくれたと思います。ロシア外交についてもかなり踏み込んだ内容でありびっくりしました。 ただ年表を加えてほしかった2016/01/17