出版社内容情報
「こじか」と名付けられた、やせっぽちで炎が苦手な少女。高く跳びはねてしまう為、足に砂袋をくくられ育った。ある時、頭中将のタケルが訪れ、こじかを舞姫として引き取るという。二人は都へ向かうことになるが―?
内容説明
都よりほど近い淡海国に住む、やせっぽちの姿から「こじか」と呼ばれた少女。高く飛び跳ねてしまうため両脚には足枷の砂袋をくくりつけられ、端女として育った。ある時都より、頭中将・タケルがこじかのもとを訪れる。宮中の舞姫にふさわしいと、彼女を右大臣家で引き取るというのだ。実はかつての心の傷により、炎を嫌うこじか。暗闇で炎を灯す五節舞で踊れるはずもない。宮中から追い出され、ついには己の秘密を知ることになり―!?炎に愛された少女が運命に逆らい羽ばたく、圧倒的平安ファンタジー!
著者等紹介
藤宮彩貴[フジミヤサキ]
東京都出身。第3回富士見ノベル大賞にて、『焔の舞姫』が審査員特別賞を受賞、同作にてデビューを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひぬ
21
高く跳びはねてしまう故に砂袋を足につけて育った少女・こじか。ある日、都から来た頭中将・タケルから五節舞を踊って欲しいと告げられます。五節舞は炎が周りを照らす環境でやるため、訳あって炎が苦手なこじかはそれを克服するために頑張ります。全体的にあっさりとしていて読みやすかったです。あらすじの文面はちょっと謎。読んでいる途中タケルがきな臭いと思っていましたが、それが杞憂で終わって良かったです。2021/10/10
粋
8
内容はあっさりとしている感じ。舞がメインかと思っていたがそれほどでもなく、どちらかと言うと主人公が虐げられる部分の方が結構書かれているような。個人的にはもうちょっと恋愛要素が欲しかったな。2023/03/06
starly
6
炎がトラウマになりながらも懸命に舞う。かつて虐げられていた少女の成長物語。途中で三角関係となる恋愛場面にはドキドキしたけれど、もっと恋愛を掘り下げれば恋愛作品とよべたと思います。平安ファンタジーでありながらも読みやすい。2024/10/07
紅羽
5
並外れた跳躍力を持つ少女、こじかが都から来た頭中将、タケルに舞姫として見出され、次第に自身の出自や過去に向き合う事になる成長物語。思ったより重い苦難はなく、すんなり終わった感じ。ここから全てが始まっていく感じがする清々しい結末でした。2023/09/22
dynamonda
5
淡海国の少女・こじかが頭中将であるタケルの義妹となり舞を踊る役目に抜擢される。こじかは人よりもはるかに高く跳べる異能と、過去のトラウマから炎を恐れてしまうせいでうまくいかないことが重なる――。かなりあっさりめのファンタジー小説。終盤で明かされる内容がやや面白かったけれど、バタバタとした感がちょっと残念。2022/04/16