出版社内容情報
ライの凶刃に倒れた真紀。その魂が落ちたという地獄へ、馨は迷うことなく向かう。地獄では酒呑童子となり、鬼の獄卒として働く馨。彼岸花の咲く地獄の果てで、朽ちていく大魔縁・茨木童子――真紀を救い出すために。
内容説明
「茨木真紀は、まだ、助けられるぞ」ライの凶刃に真紀が倒れ、絶望に暮れる馨。そこへ助言を与えたのは、宿敵・安倍晴明の生まれ変わりである叶だった。彼女は前世“茨木童子”の重ねた罪で、地獄に魂が囚われている。閻魔大王の判決を覆し、連れ戻せれば目覚める可能性はある、と。一縷の望みに、馨は迷わず地獄へ向かう。そこでは姿が前世“酒呑童子”に変わり、鬼の獄卒として出世していくことになり…!?彼岸花の咲く地獄の果て。朽ちゆく大魔縁・茨木童子―真紀が待つ、その場所へ辿り着くために。
著者等紹介
友麻碧[ユウマミドリ]
福岡県出身。小説『かくりよの宿飯』シリーズが大ヒットとなり、コミカライズ、TVアニメ化、舞台化など広く展開する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんけー
50
読了♪真紀が来栖未来に命を絶たれ?自身気付かぬ間に、大魔縁茨木童子として無間地獄に堕ちてしまう。現世では馨を始め、津場木茜や、叶冬夜が事の重大さに連携し真紀を目覚めさせるために京都に向かう。眠り続ける真紀をスイと由理に任せて。叶の本性が遂に発露され、その揺るがぬ信念と自身の過ちの哀しい運命に読んでて慟哭する。作者の優れた筆致に引き込まれ京都での経緯から地獄へと乗り込む馨と同時に読んでるこっちも臨場感を味わって(^_^)閻魔大王?意外にお茶目な一面が可笑しくw小野篁(この人物に関してはもう読んでもらうしか→2021/10/25
えりこんぐ
49
シリーズ9冊目。地獄に落ちた真紀の魂を助けに行く馨。地獄といえば鬼、閻魔大王。どんな激しいバトルが?と思いきや、他の鬼たちと共に黙々と働き、出世を目指す馨(≧∇≦)何そのシステムw そうだよ、バトルは次の巻だ。ミクズを倒すのは誰なのかな。完結編が待ち遠しい。【積読65】2022/08/03
よっち
46
前世「茨木童子」の重ねた罪で、地獄に魂が囚われてしまった真紀。閻魔大王の判決を覆し、連れ戻せれば目覚める可能性はあることを知った馨が、迷わず地獄へ向かう第九弾。叶や茜の助力を得て地獄に潜入し、鬼の獄卒として出世して真紀の救出を目指す馨。意外なところから叶先生の様々な姿や過去の背景があって、改めてぶつかり合って確かめあった二人の絆にまたぐっと来るものがありましたね。彼らの今後の進路も気になるところですが、長らく続いてきた因縁の決着に向けて機運が高まっていくと同時に、改めて続巻がとても楽しみになってきました。2021/07/15
るぴん
40
地獄に魂を囚われてしまった真紀を助けるため、叶や茜の助けを借りて地獄に乗り込んだ馨。地獄の様子が「鬼灯の冷徹」の世界観に似ていて楽しい。獄卒として信頼を得ることが真紀の元へ行く近道と信じ、コツコツと真面目に働いて試験を受けるのが馨らしい。もし真紀が馨を助けに行く逆パターンだったら、問答無用で正面突破しそう( ̄▽ ̄;)叶十夜は安倍晴明でもあり、小野篁でもあり、その真の正体には納得。大魔縁になるほど酒呑童子を求めた茨木童子、地獄の果てまで真紀を迎えに行った馨。前世でも今世でも、2人の愛の深さが尊い。2021/07/23
assam2005
26
目が覚めると、愛しい人はそこにはおらず、独りぼっち。楽しかった愛しい人との思い出が楽しければ楽しいほど、あなたがいない寂しさは深い深い虚しさと悲しみに変わり、息さえもできなくなる。地獄へと落ちた真紀を救いに向かった馨が見る真紀の苦しみは、心が抉られるように痛い。それを真紀が語るのではなく、馨が「苦しみながら酒呑童子を探し続ける茨木童子」を見届けることで真実が伝えられる。これほどまでに愛していた。見えないところで感じる「愛していた」という想いの強さ。胸に杭を打たれたように心に残りました。2021/10/01