出版社内容情報
女性ながら最強の軍人として名を馳せていた小玉。だが、何の因果か、30歳を過ぎても独身だった彼女が皇后に選ばれ、女の嫉妬と欲望渦巻く後宮「紅霞宮」に入ることになり――!? 第二回ラノベ文芸賞金賞受賞作。
内容説明
関小玉、33歳。不世出の軍人と噂される彼女は、「とある事情」から、かつての相棒にして今はこの国の皇帝である文林の懇願を受け、ある日突然、皇后となった。いきなり夫婦となった文林との関係に戸惑いつつも、小玉は持ち前の前向きさと大雑把さを武器に、女性の嫉妬と欲望が渦巻く後宮「紅霞宮」に入る。他の妃たちの嫌がらせにも気づかぬ小玉のマイペースさに、後宮はまさに大混乱!だが、その混乱は後宮に潜む“闇”をも目覚めさせてしまい…。選考委員絶賛の、あまりに型破りな後宮物語、ここに開幕―。
著者等紹介
雪村花菜[ユキムラカナ]
2014年、第二回ラノベ文芸賞にて、応募作『生生流転』が瑞々しい人物描写と軽妙な会話劇、緻密な舞台設定を高く評価され、金賞受賞。改題及び改稿した『紅霞後宮物語』で作家デビューを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
105
面白かったです。欲望と嫉妬に染まった後宮に入ることになった小玉のマイペースさがいいですね。嫌がらせにも気がつかない図太さと前向きな性格が好感を持たせます。ヒロインなのに33歳というのはライトノベルとしては珍しいのではないでしょうか。ある意味、後宮小説として型破りなことが多いような気がします。2017/07/03
よっち
93
女性ながら不世出の軍人と評される将軍・関小玉33歳が、かつての相棒にして今は皇帝である文林の懇願を受けある日突然皇后となり、嫉妬と欲望が渦巻く後宮「紅霞宮」に入る物語。軍人らしいきっぱりさっぱりな性格の小玉と、皇帝として公人としての意識も持たざるをえなくなった文林。絆こそ感じられるもののお互い立場も変わり、変わってしまったところと変わらないところに戸惑い葛藤する展開でしたが、ついに覚悟を決めた小玉とそんな彼女に複雑な想いを抱いたままに見える抱く文林がどんな夫婦になっていくのか。次巻以降の展開が楽しみです。2015/10/29
りゅう☆
89
33歳軍人の関小玉は元恋人で今や皇帝となった文林に後宮入りを頼まれた。そして妃嬪は大勢いるのにいつの間にか皇后へと昇りつめてしまった。数ある嫌がらせもモノとせず、ちょい反省しつつ女官梅花の説教も颯爽とかわすのがカッコいい。去勢した宦官清喜は信頼のおける人物で小玉のことをよく理解してるところに安堵感あり。そして皇帝夫人が亡くなったため、皇帝の第三子でもある鴻を母親代わりになって育ててること、皇帝から皇后としてのなんぞやを勉強させられてるけど一生懸命なこと、文林の寵愛を一心に受けてるのに同じ寝台でただ一緒に→2019/04/13
ひめありす@灯れ松明の火
85
もしかしてこの作者はもの凄く文章が上手なのかもしれない。緩急自由自在という印象です。三十路を超えて入内した元軍人のヒロインと、元副官の現皇帝。しかも血の繋がらない息子を育てたり、命を狙われていたり。ここで並の女なら男によよと縋りつきそうなものを、性格なのか淡々と処理していきます。そこが若干の歪さで、この状況を変えるのはそこ契機しかないと思うのですが。しかし拳と拳で仲直りという、今どきの少年漫画でもないようなべた過ぎる展開……!なんかでも理由が素敵だなって思いました。となると他の登場人物にも関心がむくむくと2017/05/31
ゆき
77
ネット小説時代からファンだった作家さん。9割以上書き下ろしで新しいものが読めるのは嬉しいのだけれど、改題と言い、内容が本来の番外編にあたる皇后時代のことであるのと言い大人の事情が見えるww軽妙な語り口ながら根底を流れるドロドロしたもの、葛藤や懊悩はあってもさっぱりと男前な主人公、妙な現実感や物悲しさ、とっても好みです。ただ、ベタ甘を求めてる人には合わないだろうな(笑)2015/05/15