内容説明
高野山の片隅に、ひっそり佇む和菓子屋さん。木彫の看板に『春寿堂』と書かれたその店は、飄々とした狐の妖怪・玉藻が店主を務める、あやかしたちの御用達だ。そんな場所を普通の店と勘違いして訪れた青年・名月は、度々起こる怪奇事件に文句を言いながらも、玉藻のもとで和菓子作りを手伝っていくことになる。さっそく配達で向かった寺院にて、咲かない梅の木の下に女性の「影」を見てしまい―。和菓子とあやかしが、店を訪れるものたちを優しく繋いでいく。暖かな“縁”のストーリー。
著者等紹介
真鍋卓[マナベスグル]
第2回ネクストファンタジア大賞銀賞を受賞し、マナベスグル名義でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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真理そら
58
高野山を舞台にした和菓子屋と妖の物語。作者も和菓子職人。妖が見えてしまうために人間関係がうまくいかず住所不定無職になってしまっている青年・秋夜名月は貼紙を見て和菓子屋で住込みの仕事を得る。が、和菓子屋の主人・玉藻は狐の妖、同僚のあずきは玉藻の式神。設定はよくあるタイプだけれど、会話がハードボイルド物っぽいのがおもしろい(軽妙な掛け合いのはずなのにすべりまくる)2023/03/28
スズ
45
幽霊や妖怪が見える体質の青年名月が、高野山の片隅で和菓子屋を営む狐神玉藻から3年間従業員として働けば体質を治して貰うという契約を交わした事から始まる高野山を舞台にした妖怪と和菓子の物語。餡子の香りがページから漂ってくるような和菓子屋風景に心がほっこり。基本的には妖怪絡みのトラブルを抱えたお客さんに関連した事件を玉藻の遠回しなヒントや和菓子の知識を元に名月が必死で解決していくお話です。作者さんが和菓子屋で働かれているとの事で、和菓子への愛も感じられました。次はどんなお菓子とどんなご縁に出会うのか楽しみです。2021/07/31
カナン
44
忌々しい「縁」あって、高野山の妖狐が営む和菓子屋で働くことになった少年名月。作者が和菓子屋で働いてる割には菓子の描写が簡素過ぎるのが残念。話の謎も玉藻様が答えを出してくれているので、名月早く気付いてーと思うこと数回。そして表紙の名月が作中のイメージとかなり違うのは何故でしょう(笑) 全力で店主のボケに突っ込んでいく辺り、某人気漫画の主人公と被るのでそこから持ってきた容姿でしょうか。しかし式神が幼女とは…玉藻様、何をどうやったら幼女になったんですか。可愛いけどねあずきちゃん。すごくドライな幼女可愛いけどね。2016/01/23
papako
35
合本版を買ったけど、一冊読んでちょっといまいちかもと思ってしまった。名月の言葉遣いが苦手。他のキャラもなぁ。全体にガチャガチャしてるし。微妙なハーレム感もいや。そのうち楽しくなるかしら。お菓子の豆知識は楽しいけど。2024/05/31
み
28
さくさくと♪初読みの作家さん、好みでした(^o^)妖と見えるヒト、プチ謎解き&和菓子。雇い主と式紙の主従関係もクスっと。シリーズ読み進めます。2018/01/09