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出版社内容情報
だれも寄りつかない“そこなし森”に住みついた旅の老人と村のわかものとの、不思議な出会い。人間心理のおかしさをついた物語。 5才から一般むき
内容説明
否含山の山すそに、うっそうと広がる“そこなし森”。だれひとり踏み込むこともないその奥深い山に、年とった六部姿の旅人が迷い込み、住みつきました。仙人のような日々を送るそこなし森の老人のまえに、ある日、小さくて奇妙な人形の生き物が現れて―。佐藤さとるのファンタジーあふれる世界を、中村道雄が数十種の木を型ぬきし、組み合わせて、巧みに表現した“組み木絵”の絵本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
68
組み木絵がすばらしい絵本。読み聞かせ約15分▽上州(群馬県)の否含山(いなふくみやま)の山すそに広がる森は、入ったものを全て飲みこむ「そこなし森」と呼ばれた。ある秋、そこなし森の奥に、年取った六部姿の旅人が小さな小屋をたて住み着く。仙人のように本を読んで暮らすうちに1年たち秋になった。ある日ケガをしたシカが家の脇に飛び込んできた。外に出たとしよりは、小人を目撃する。一方、森のそばにある村の猟師は、大入道を見たと逃げ帰ってきた▽不思議話。2023/06/30
mocha
62
組み木絵が素晴らしい!木だけでこれほど彩り豊かな世界が表現できるなんて。森の香りまで感じられそうだ。人を惑わす深い森の中で、人間はちっぽけな生きものに過ぎない。2021/11/24
アナクマ
26
六部(法華経66部を納める巡礼者)姿の旅人ありけり。深い森に迷い込んだ彼は掘っ建て小屋で読書生活のなか、火縄銃を構えた小人に出会う。「見まちがいだろう。本の読みすぎ…うん、そうじゃ。目がつかれたんじゃ」。一方で、森に鹿を追い込んだ狩人は大入道に遭遇する。どういうカラクリか、説明はない。「そんなときは、だまってにげるんだ。ばけものにむかって、てっぽぶつなんぞ、じまんにもなにもならんわい」。上州のお話。◉原作66年、本著89年刊。中村道雄の組み木絵本。森を表現する木の素材はホオノキか、とても柔らかです。2025/03/08
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
13
6年生 ブックトーク授業(夏休みのお勧め本) 国語で『川とノリオ』 https://bookmeter.com/books/107504 の学習があったので、いぬいとみこさんの紹介は朝読書でし、ブックトークは文学作品の絵本版と、長めの児童書を紹介、作者の説明もしています。佐藤さとるさんのお話の中では、ちょっと怖く意外な感じ。中村道雄さんの組み木についても説明。見事ですよねぇ。2021/07/14
あおい
11
獣が逃げ込むと見つからなくなる「そこなし森」木こりや猟師もめったに入らないその森に1人の旅人が住み着いた…組み木絵で表現された絵がお話にピッタリで不思議な味わいのある絵本でした。2020/02/06