出版社内容情報
高校3年の夏、突然襲った失明。その不幸にも負けず、童話作家への道を歩みだす著者が、盲導犬を得るまでの苦難の歩みを描きます。 中学生から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
杏子
18
『こうさぎましろのお話』を書かれた佐々木たづさんの自伝的エッセイ。大学受験を控えていた高校三年の夏に突然、襲ってきた失明という悲劇。そのこと自体はとてもつらくて悲しいことだったけれど、その後も失意に沈むことなく、前向きに童話を書き、盲導犬をもとめて海を渡っていったたづさんの勇気には心から感動します。童話ももっと読んでみたいと思いました。2017/12/17
シュシュ
15
『子うさぎましろのお話』の佐々木たづさんが全盲だとは知らなかった。昭和25年、たづさんが高校生で視力を失った後イギリスへ渡り、盲導犬ロバータを日本へ連れて帰り、日本で落ち着くまでのことが書かれている。日本にはまだ盲導犬がなかった頃である。全盲であることを静かに受け入れて、生きる希望を失わない、たづさんの辛抱強さ、健気さがすごいなと思う。ご両親とお姉さんの他に周囲の人の支えもあり、幸運であるともいえるけれど、希望を失わずに頑張っていることが幸運をよびよせたともいえる気がする。たづさんの誠実な文章が好きだ。2015/07/26
マカロニ マカロン
11
個人の感想です:B。童話作家佐々木たづさんは高校生の時に急に難病によって失明してしまう。治療のために辛い思いをし、さらにご両親も経済的にも治療の付き添いなどにも多大の負担がかかった。そんな中、以前から関心のあった童話作家になろうとする。野村胡堂氏に励まされ、童話集『白い帽子の丘』を自費出版するが、すぐ評判となり、重版出来となる。1961年、盲導犬を受け取るために渡英し、6週間の訓練を受ける。日本ではまだ盲導犬訓練所もない時代で、帰国後メス犬ロバータと日本の道路事情に沿った誘導ができるように対話していく2023/05/21
ぱせり
10
手に入らない物と手持ちの物と比べるのではなくて、今の状態を受け入れ、そこから力を尽くして動き出そうとするたづさんの姿勢と、寄り添うロバータの健気さに打たれる。二人が、素晴らしいパートナーになっていく姿を夢中で読んだ。一緒に歩くロバータとたづさんは、共に凛とした気品があって美しい。2013/07/30
白猫の単語
5
家族の、たづさんへの愛、たづさんの、ロバータへの愛、ロバータのたづさんへの愛、愛に溢れた本だった。2017/01/24