出版社内容情報
貧乏暮しの青年画家イーベンが,めぐりあった少女ジェニー。男性の時間と,女性の時間を巧みに交錯させて夢と現実を象徴的に描く。 中学生から
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COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金平糖
9
恩田さんの「ライオンハート」に影響を及ぼしている作品と知り予約した。ジェニーの時間は、イーベンの四倍の速さで進んでいたということなのか、パラレルワールドの話なのか、なんとも不思議な世界観で、恩田さんがインスパイアされたということを納得。しかし、『子どもとおとなのための』と銘打っているも児童向け感と、「きみ、○○したまえよ」などのような訳の古さが否めない作品だったのが残念。ハヤカワや東京創元社から違う訳者で出ているようなのでリベンジしたい。2013/06/30
topo
7
あまりの美しさに心がぎゅっとなる。貧乏な画家と少女。時を越えた愛に汚れた心が浄化されていく。神秘的とも感じる情景の描き方はどこまでも美しい。時は流れ形ある物いつかは壊れてしまうけど、幸せな記憶も真実も消えることは決してない。2020/09/15
丘野詩果
5
この物語がずっと頭に残っていて、6~7年前に購入。貧しい画家イーベンはある日幼い少女ジェニーに会う。ジェニーは会うたびにすごい速さで成長していき、お互いに愛し合うようになる。私が小学生の時、水野英子のコミック『セシリア』で読み、このお話を知ったのだ。この物語の影響は萩尾望都『マリーン』や山田太一『飛ぶ夢をしばらく見ない』に受け継がれている。もちろん梶尾真治にもね。愛と時のロマンスの原点といえる物語だ。映画にもなっていて、ずっとずっとずーっと前にTVで放映されたのを観て嬉しかったー。2013/08/17
たいたく
4
図書館。貧乏画家と不思議な少女の話。ジェニーはいったい何者だったのか結局わからなかった。過去の少女が現代に追い付いた?2015/06/20
NEMO
2
かなりメロウな雰囲気で面白かった。恩田陸さんがこの本を読んでライオンハートの着想に至ったというのはかなり納得がいきました。2人の関係性の価値観とか。 個人的には梶尾真治さんの短編に影響を与えたという印象があったので(勘違いかも)SF的な作品と思っていたのですが、本書を読む限りではそういった風に断定はできないような表現でした。なんにしても面白かった。 色彩への表現がかなり個性的なように感じました。特に、四季に関する表現など。2017/08/28