内容説明
旅にでたセレンディップ(いまのスリランカ)の三王子はベーラムの国でかけられたラクダどろぼうのうたがいをずばぬけた機転によって晴らし、皇帝の命をもすくう。皇帝の信頼をえた三人は、うばわれたベーラムの宝「正義の鏡」をとりもどすため、インドへむけてふたたび旅にでた―十八世紀の英作家ウォルポールが読み「セレンディピティ」ということばを生むきっかけとなった物語。小学上級から。
著者等紹介
竹内慶夫[タケウチヨシオ]
1924年東京に生まれる。東京大学大学院特別研究生中退、マサチューセッツ工科大学研究員。東京大学教授を経て日本大学文理学部教授。日本鉱物学会会長、日本結晶学会会長を歴任。現在は東京大学名誉教授。理学博士。専門は結晶学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マカロニ マカロン
21
個人の感想です:B。幅允孝(ハバヨシタカ)さんの『差し出し方の教室』の中で紹介されていた本。セレンディップは現在のスリランカのことで、ジャッフェル国王には3人の息子がいて、帝王学を学ばせるために3兄弟を近隣諸国に旅に出した。強大なベーラム皇帝国でラクダ泥棒の疑いで逮捕されたが、ホームズの『緋色の研究』並みの推理力で疑いを晴らす。更に色々な国を訪れ、平和と正義をもたらす物語。「セレンディピティ」の言葉が生れるきっかけになったペルシャのおとぎ話。偶然と才気により思わぬ発見、成功を手にする読みやすく楽しい物語2025/07/19
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
14
「セレンディップ」とは、スリランカの古い名称。『セレンディピティ』という言葉は、イギリスのホレス・ウォルポールが生み出した造語、ふとした偶然がきっかけで、思わぬ幸運を手にするという意味です。3人の王子がベーラムの国でかけられたラクダどろぼうのうたがいを晴らし、皇帝の命をも救います。皇帝の信頼を得た三人は、うばわれたベーラムの宝「正義の鏡」を取り戻すため、インドへ旅にでます。おはなしもしっかりしているのでうが、セレンディピティを理解しておくと分かりやすいです。 2020/03/24
Koichiro Minematsu
11
いやぁ~ナイスな本でした。偶然と才気による予期しない発見=セレンディピティ 使われたのはウォルポールの手紙に登場してから、ササン朝ペルシアとスリランカの物語。2016/03/03
green
7
図書館をぶらぶらしてて発見。子供の頃、神話やおとぎ話を読んでたなぁ。ペルシアは初めてで新鮮だった。3人の王子の賢さ、徳の高さ、謙虚さ、多くの面で人より秀でているにも関わらず、見聞を広めるために他国を旅するよう命じたセレンディップの王が凄いと思う。偉大なる王、ですね。セレンディピティ(=偶然と才気による予期しない発見)に遭遇する心構えが身に付くだろうか。2016/11/06
takakomama
6
「魔女たちのアフタヌーンティー」に出てきた、セレンディピティの言葉の語源になった物語。セレンディップは昔のスリランカ。偉大な王は三人の息子たちを立派な跡継ぎにするために、彼らに旅をするように命じました。賢い息子たちは行く先々で、幸運と知力で困難に打ち勝っていきます。息子たちの観察力と推理に感心しました。「セレンディピティ」とは単なる偶然ではなく、偶然と才気によって探していないものを発見すること。2024/08/18