内容説明
旅にでたセレンディップ(いまのスリランカ)の三王子はベーラムの国でかけられたラクダどろぼうのうたがいをずばぬけた機転によって晴らし、皇帝の命をもすくう。皇帝の信頼をえた三人は、うばわれたベーラムの宝「正義の鏡」をとりもどすため、インドへむけてふたたび旅にでた―十八世紀の英作家ウォルポールが読み「セレンディピティ」ということばを生むきっかけとなった物語。小学上級から。
著者等紹介
竹内慶夫[タケウチヨシオ]
1924年東京に生まれる。東京大学大学院特別研究生中退、マサチューセッツ工科大学研究員。東京大学教授を経て日本大学文理学部教授。日本鉱物学会会長、日本結晶学会会長を歴任。現在は東京大学名誉教授。理学博士。専門は結晶学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おはなし会 芽ぶっく
13
「セレンディップ」とは、スリランカの古い名称。『セレンディピティ』という言葉は、イギリスのホレス・ウォルポールが生み出した造語、ふとした偶然がきっかけで、思わぬ幸運を手にするという意味です。3人の王子がベーラムの国でかけられたラクダどろぼうのうたがいを晴らし、皇帝の命をも救います。皇帝の信頼を得た三人は、うばわれたベーラムの宝「正義の鏡」を取り戻すため、インドへ旅にでます。おはなしもしっかりしているのでうが、セレンディピティを理解しておくと分かりやすいです。 2020/03/24
Koichiro Minematsu
11
いやぁ~ナイスな本でした。偶然と才気による予期しない発見=セレンディピティ 使われたのはウォルポールの手紙に登場してから、ササン朝ペルシアとスリランカの物語。2016/03/03
green
6
図書館をぶらぶらしてて発見。子供の頃、神話やおとぎ話を読んでたなぁ。ペルシアは初めてで新鮮だった。3人の王子の賢さ、徳の高さ、謙虚さ、多くの面で人より秀でているにも関わらず、見聞を広めるために他国を旅するよう命じたセレンディップの王が凄いと思う。偉大なる王、ですね。セレンディピティ(=偶然と才気による予期しない発見)に遭遇する心構えが身に付くだろうか。2016/11/06
Uzundk
6
一応3人の王子の話は始めと終わりにあるが全体としては一続きでは無く童話集といった感じ。王子達の行為はどちらかというとただの推測のように思うが...。とにかくあとがきにセレンディピティの概要とその出典、そしてこのお話を探し出す様子が描かれているが良かった。更に原点を辿りたい人は早稲田大学の中央図書館のマイクロフィルムへ。思わぬ収穫としては挿絵が素敵だったこと。2015/06/23
yzyk
5
いつもセレンディピティの意味なんだっけってなるから、原点を知ろうと読んでみた。「思わぬものを偶然に発見する才能」っていう意味には全然程遠くて混乱するな。そもそもラクダのくだりのとこだけとったんだって?生まれと育ちがよくて才智あふれる道徳心ある若者が真面目に生きて幸せになる物語。スリランカって仏教の国だったんだね。知らなかった。 2022/01/23