出版社内容情報
手足の自由を失いながらも、筆をくわえて詩画を描き、生命のすばらしさを語り続ける星野富弘。少年時代から事故、そして結婚までをつづった、100万部突破の手記を文庫化。
内容説明
花の詩と絵をとおして生命のすばらしさを語りつづける感動の記録。星野富弘の自伝。小学上級から。
目次
とつぜんの悲しみ(体育の先生;腕があるんだろうか;父母の顔;死にやしないよ)
文字を書くよろこび(はげましの帽子;文字をつづる ほか)
心の虹(たのしみに待つ人;桑畑の歌;罪ぶかくよわい人間;母と見る虹)
花とともに生きる(車椅子にのって;ランの花への思い ほか)
めぐりくる季節に(秋のふるさと;かがやく季節;十字架の花;花にかこまれて)
著者等紹介
星野富弘[ホシノトミヒロ]
1946年群馬県勢多郡東村に生まれる。群馬大学教育学部卒業後、中学校の体育教師となる。クラブ活動の指導中、頚髄を損傷し手足の自由を失う。入院中、キリスト教の洗礼を受ける。1979年より国内外で「花の詩画展」を開く。1981年に結婚。1991年東村立・富弘美術館が開館
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シュラフ
34
取引先の役員からいただいた一冊。絶望から再生への物語となっている。表紙絵にある花の絵は重度障害者である筆者の作品。なんと筆者は筆を口に咥えて作品を描いている。上下半身不随という若者にとって過酷すぎる運命。当然ながら事故後しばらくは自暴自棄の日々。作品を描くまでの精神的・肉体的な葛藤。人はいかにして「絶望」を克服して、「再生」へと至ることができるのか。本人の不撓不屈の精神はもちろんであるが、それを支える周囲の愛が必要である。大切なのは「愛」なんだよ。愛があふれている作品だから、その絵を見る人に感動を与える。2019/02/17
陽子
28
体育教師をしていた著者。ある日の授業中の不慮の事故で頸椎骨折損傷し、人生が一変してしまう。死ぬか生きるかの怪我で身体をわずかにしか動かすことができなくなってしまった著者が「花」の美しさの中からたくさんのことを見出し、絵筆を口にしながら絵や詩に表した作品は、見る者の心を強く揺さぶる。極限に置かれた精神状況の中でしか知ることが出来なかったこと、見えたことが重く尊く感じられた。そして、彼を支え寄り添ったご両親と渡辺さんとの出会いと結婚。すごい人生だなあ、と改めて思った。著者の描く花は鮮やかでたくましく瑞々しい。2020/02/06
紅香
23
念願の教師になって3ヶ月。不慮の事故で首から下の自由を失った。。以前から良く見掛けた星野さんのほのぼのとした花の絵と心が洗われるような詩。優しい花々と温かい筆跡とは裏腹にこんなにも壮絶なことがあったなんて。。動くことも話すことも奪われ、剥き出しの自分と対峙した力強さ。一途に取り組む真摯さにとても魅力を感じました。奥様となった渡辺さんの目は確かです。傷ついたけれどそれは不幸ではない。描き続ける限り描き続ける。星野さんの心の花が今日もまた白い紙に咲き始めていることでしょう。展覧会があったら観に行きたいです。2021/09/04
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
20
星野富弘さんの生き方を綴った本。器械体操が好きだった子ども時代、中学校の体育教師になり、宙返りの練習中に頭からマットに落ち、首から下が全く動かなくなりました。苦しい入院生活の中で、中学生から寄せ書きを頼まれ、口にサインペンをくわえ字を書いたのが、絵をかく始まりだったそうです。「神様がたった一度だけ このうでを動かしてくださるとしたら 母の肩を たたかせてもらおう…」この言葉に涙が止まりませんでした。2020/01/07
りるふぃー
13
星野さんのことを知ったのは、たしか小学生の頃、担任の先生が話してくれたことがきっかけだったと思う。私が生まれる前から今でも、星野さんは車椅子で頑張っておられることを思うと背筋が伸びてくる。事故の日から、9年も入院され、その後も自宅にて家族に支えられておられる。星野さんもすごいけど周りの方々もすごい。結婚のこともサラリと書かれているけど、奥様やお母様の手記があればそれも読んでみたい。星野さんの自体や絵はセンスがある。ヘビの輪切りは残酷だけど、苦しみを昇華した人の清々しさを感じて作品を見ると力がわいてくる2019/12/05
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