出版社内容情報
19世紀末、科学者であるタイムトラベラーは自分の時空間理論を実証しようとタイムマシンを発明。傑作をフレッシュな新訳で刊行。 小学校高学年から
内容説明
これは、時間を旅することのできる機械を発明したあるタイムトラベラーの物語。タイムトラベラーは、自らを実験台として、期待を胸に人類の未来へと旅立つ。ところが、未来社会はイーロイ人とモーロックス人の対立する社会だった…SF小説の父H・G・ウェルズのあまりにも有名な作品のフレッシュな完訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
53
ダーウィンの『種の起源 』に触発されて書かれたSF。80万年かけて、違う環境に置かれた人間が、どう変わっていくかを想像したら、とんでもないデストピアだったという想像力に驚かされる。児童向けの本だが、完訳だし、訳も読みやすいし、ポップなイラスト付きで面白く読めた。2016/04/28
Willie the Wildcat
34
史実でなければ見聞ですらない推察。但し、説得力がある根底に、現代にも繋がる社会問題。産業革命、技術革新の齎す陰陽。格差社会、競争社会の成れの果てか。言語を含めた文化の喪失が意味深。一方、タイムトラベラーが持ち帰った「花」。感謝、慈愛など、暗闇に残された儚い希望ではなかろうか。故に、ウィーナとの再会の果ての”行方不明”と信じたい。蛇足だが、冒頭の「四次元」に、時間の活かし方を再考。無限じゃないんだよなぁ。2015/07/11
たち
16
子供向けの本ですが、完訳ですので遜色なく読めました。おまけに挿絵がたいへん美しいです。80万年後の未来に辿り着いたタイムトラベラーの話のなかで、「変化のいらないところには、知性は生まれない」という一行が身につまされました。2016/07/27
KAKO
15
「タイムマシン」というと、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のように、身近な人や知っている世界の過去や未来に触れてワクワクするSFと思っていたので、この作品の初読の時は、これはまた、ずいぶん暗くて寂しい、ワクワクしないSFだなあと思った。しかし、まさにその「タイムマシン」を発明したのが、本作ということで、SF史上貴重な作品。何と言っても知り合いどころか、果ては人類までいなくなっているはるかかなたの未来に行く主人公。ワクワクはしないが、興味深い物語だった。解説のウェルズとヴェルヌの比較も面白かった。2025/02/02
花宴
15
舞台を80万年後という途方もない未来に設定する所がすごいです。誰も想像しえない未来の姿でしょうね…主人公も並じゃない。これだけ散々な目に合ってるのに、寄り道するように更にその先の未来を貪欲に見ようとするというのは理解し難い^_^;一目散に帰るべきところでしょうに。そして再度、という所も好奇心を通り越しているような気がします。2018/07/21
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