出版社内容情報
「とが村」にたどりついたアサギは、サコねえたちが生き口になったことを知る。ハヤをさがすアサギ・・・。シリーズ完結編。
内容説明
目的の「とが村」にたどりついたアサギは、偶然にも、タケと出会い、ザコねえも生き口になったことを知る。消息がわからないハヤをさがすアサギ。しかし、そんな彼女を過酷な運命が待ち受けていた。「アサギをよぶ声」、シリーズ完結編。小学校高学年から。
著者等紹介
森川成美[モリカワシゲミ]
2009年「アオダイショウの日々」で、第十八回小川未明文学賞優秀賞受賞
スカイエマ[スカイエマ]
児童書・文芸書の装画や挿絵・新聞・雑誌の挿絵などを幅広く手がける。第四十六回講談社出版文化賞さし絵賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
annzuhime
35
院内の図書室本。シリーズ完結編。他の村と共に戦いに挑むアサギ。人がいる限り争いのない世界は難しい。その中でどう共存するか。戦いのシーンはもっと詳細に読みたいと思った。児童文学としてではなく、長編小説として存在しても価値のあるシリーズ。村八分の状態だったアサギが、多くの人を率いる存在まで成長。きっとアサギの慎重さと行動力のバランスが素晴らしいからなんだろう。いつか娘たちにも読んでもらいたい。2025/03/09
杏子
23
ついに完結!満足できました。アサギも迷いつつ、大きく成長したという印象です。この世界は、まだまだこれからが鍵になるんでしょうね。続きを読んでみたいです。2015/12/20
いちごプリン
22
いやあ、久々に手に汗握る内容の本に出会いましたね。はじめアサギは誰かに頼って戦を始めようとしたけれど、それではダメだと気づいて、すべて自分の力と猿の力で戦いに勝利した。でも、最後の最後まで、こんな闘いは、もう二度としたくはない、という思いも忘れなかった。はあー、読み終えました。2020/12/13
おゆ
19
次から次へと押し寄せてくる難題、無理だ出来ないと震えながら、それでも立ち上がるアサギ。せめて肩を並べる仲間をと願うのに、信じた人々はいつもアサギを独り遺して去る。けれど手を差し伸べる人もまた、思いもかけないところから現れる。「望みを勘定に入れるな」モノノミカタがもたらすシビアな認識力は、アサギの判断に潜む一筋の光を容赦なく切り捨てる。それは正しい導きとなるが、ひとりぼっちの少女にとりどれほど残酷なことか。掴み取った勝利は甘い果実などではなく、その小さな手に託されたのは、血と泥にまみれた願いの種が一掴み。2018/05/30
鷺@みんさー
15
完結編。思えば1巻では、あくまで「村の掟通りに結婚だけする女になるのが嫌で、戦士を目指す少女」の、村の中だけの物語だったのが、えらくドラマチックになったもんだ。そして猿の正体はやっぱりでしたね。ヒコがとても悲しいけれど、いいやつだったよほんとに。泣いたわ~。12歳の少女が三つの村を率いる戦のリーダーになる、という展開は強引さも否めないが、あくまでファンタジーとして楽しめばよいと思う。アサギは迷いながら、敵もまた同じ人間だと知りながら、人々を率いて戦う。その気持ちを忘れないことが大事だと思う。いい物語だった2017/08/06