出版社内容情報
障害をもった子どもたちをテーマにした、心あたたまる6話の短編集。 小学校高学年から
内容説明
ダウン症のため、17歳なのに赤んぼうのようにしかしゃべれないお姉ちゃん。そのお姉ちゃんがはじめてのお給料で、ごちそうをしてくれたお話。ほか、さまざまな障害をもった子どもにまつわる、心あたたまる物語5編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
60
読んで良かった。どれも障害のある子供たちやその家族の物語。子供というのは残酷だ。時には障害のある子供を疎ましく思ったり、酷い仕打ちをしてしまう。障害のある人を守りたい。だが、いざとなれば私自身も、この物語の人たちのように障害のある子供に辛く当たってしまうかもしれない。自分の保身のために。心の痛くなるような展開ばかりだが、どの話も強く心に響く。おすすめ。2023/03/26
ぶんこ
47
子どもだけではなく、大人にとっても今の世の中、明日は我が身となりえます。いつ事故で、病気で障がい者になるかもしれません。これは私が壮年になってから我が身に起きた、足の障がいの体験があってのこと。本人や家族は他人に迷惑をかけないようにと常に気遣っているもの。「歯型」の足の悪い子を転ばすしげる君と両親の対応は、虐められた本人とそのご両親の気持ちを思うとたまらない。「ぼくのお姉さん」「「首かざり」はすごく良かったです。優しさを感じられると心がホカホカ。2023/04/06
よこたん
43
“そして、思いきって、学校へとんで帰り、校長先生に、「みんなウソです。ぼくたちがあの子をいじめたのです!」と、さけびたくなる思いにかられた。なぜ、そうしなかったのか。なぜ、そうできなかったのか。いまもその思いがぼくを苦しめる。” こうすればという答えも出ないし、明るい光も見えるわけではない。障害を抱えていても、そうでないとしても、今日まで生き、また明日からも生きる。苦さも戸惑いも、笑いも涙もごちゃまぜで。福祉作業所での初給与で、家族にごちそうしてくれたダウン症のお姉さんの誇らしげな姿に、親目線で涙が出た。2022/07/18
鈴
29
障害者にまつわるお話の短編集。障害者を助けるといった綺麗にまとまった話ではなく、現実を見せつけられたような胸の痛いお話が多かった。とくに「歯型」と「首かざり」は涙が止まらなかった。次男のことを思うと、ただの物語として片付けられないモヤモヤ感が残った。内容次第では長男に読ませたかったが、私ですらこんなに辛いのだもの、まだ現実の厳しさを教える気になれなかった。2015/07/14
葵@晴読雨読
23
障害者に関わるお話6編。『ぼくのお姉さん』『歯型』『あざ』『首かざり』『こおろぎ』『ワシントンポスト・マーチ』の6話。 古い本だけど、一読の価値ありです(^-^)2015/06/20