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内容説明
東京都青ヶ島村は、黒潮のまっただ中にうかぶ。東京から360キロはなれた青ヶ島が大噴火をおこしたのは、いまから200年前の天明5年のことだった。当時、島には300人の人びとが暮らしていて、そのうちの150人は島をのがれて八丈島に移り住んだ。しかし、残された半数の人びとは、助けだされる手だてもなく、噴煙のとどろく中をさまよい死に絶えてしまった。八丈に移った人びとは、いく度となく島の復興を試みるが失敗をくり返し、50年後の天保5年、やっと島への還住をはたしたのだった。この本は、非運に泣きつづけた青ヶ島の島人の苦難のあとをたどった記録である。
目次
島へ
山焼けおこる
不安な時代
火の島をのがれて
故郷なき人びと
波にくだけた夢
孤島のたたかい
次郎太夫立つ
50年めの帰還
島から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mentyu
2
こちらのサイト(http://yamaiga.com/road/oochiyo/main.html) で紹介されていたので読んでみた。伊豆諸島青ヶ島で1785年に発生した大噴火を紹介した内容。近世の離島にも関わらず豊富な史料が残されており、救助しきれず島に取り残された人々の記述など生々しいものも存在している。加えて、噴火前後の本土における災害についても紙幅を割いており、近世社会の中で青ヶ島がどのような位置づけにあったのか把握できるようになっている。非常に濃い内容であり、児童書配架なのには驚かされる。2018/12/12
鮒ひと箸
2
天明5年の青ヶ島大噴火によって八丈島に避難した人々が、50年後に還住を果たすまでの間に多くの犠牲を伴いながらも復興に向けて苦労を重ねてきた様子が描かれている。全般に平易な文体で記述されており、中学生を始め幅広い世代の読者を対象としている。 カバーの空撮写真には開発前のカルデラ内部や斜面崩落前の大千代港が写し出されており、一見の価値がある。2015/04/12