感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がらくたどん
53
西條さんの『バタン島漂流記』を読みながら。1976年の児童書。ルビ付きで挿絵も豊富。船頭・まかない他の出身地だった常滑大野村に残る「漂流記」文書の展開に近く船名や乗員名を辿る事ができる資料本としても良書。物語は江戸出航から帰朝までで帰朝後の拘留や取り調べ等は描かれていない。またバタン島の現地住民への若干の「不適切」な表現もみえる。この辺は昭和51年という発行年を念頭に入れて読んだ方が良い。だが普通の船乗りさん達が嵐で漂流し見知らぬ土地で生き延びて帰国を果たした生きる力と勇気への想いは充分に伝わる。2024/10/10