内容説明
なつ―つゆあけ、なつやすみ、うみ、まつり、さまざまな夏をえがいた短編と詩十五編を収録。
著者等紹介
野上暁[ノガミアキラ]
1943年長野県生まれ。評論家、作家。子ども雑誌、児童図書、一般図書の編集に長年かかわる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あつひめ
65
名だたる作家さんたちの作品が味わえ児童書だと侮れない作品集。夏には不思議なお話がよく似合う。子供がお話好きなら外せない本だと思う。夏のまったり暑い晩、窓を開けて外の音や風を感じながら物語の世界に入り込む。不思議を体感できそうな本だった。他の季節も読んでみたい。2016/08/02
七色一味
52
読破。世田谷文学館の「精霊の守り人展」で、この本に上橋菜穂子さんの短編が収録されているのを知りまして。まぁ、それ目当てだったんですが、その他の収録作品も錚々たるメンバーで。北村薫さん、江國香織さん、村上春樹さんに水木しげるさん…。☆12ヶ月を題材にしたアンソロジーのシリーズの夏編で、夏にまつわる様々なことを描いた短編&詩集です。全体的に「もののけ」を感じさせる作品が多く、夏の夜に読むのがいいかも。「七月の卵」、「お母さんはかたつむり」、「蚊取線香」なんかはシュールで面白かった。意外とオススメ。2016/07/07
瑪瑙(サードニックス)
44
『夏』に関する詩とお話15作品。「さそりの井戸」は既読。不思議なお話が多いけれども、ほのぼのする作品だけではなく、ちょっと怖いものもありました。やっぱり夏らしいかな?シリーズもので、各季節のものがあるみたいなので、季節ごとに読んでみたいと思います。2016/08/21
ちえ
36
シュールな矢玉四郎「お母さんはカタツムリ」は晴れブタシリーズを思い出し懐かしい。ゾクッとする江國香織「七月の卵」、竹下文子らしい優しい「雨あがり」、たかどのほうこ「百枚めのきっぷ」上橋菜穂子「縁日の夜」は何とも言えず不思議。北村薫「さそりの井戸」、最近また読んでいる宮沢賢治が絡み楽しかった。初読みの杉みき子、内海隆一郎、舟崎靖子は3人ともに惹かれこれから是非読んでいきたいと思う。舟崎靖子の夫はこれも最近読んだ「夜猫ホテル」の舟崎克彦で繋がっていた。松永伍一「教科書」戦時中の教科書、8月を思わされる詩だ。2020/08/01
seraphim
26
上橋菜穂子「縁日の夜」が目的。小学校高学年以上を対象にして編まれたアンソロジーなのかな?。どこか不思議なお話ばかりで、どれも面白かったが、やはり上橋菜穂子さんのお話が1番好きだった。子どもの頃住んでいた町を訪ねた主人公の、不思議な体験を描いた短編なのだが、日常と非日常の隙間に迷い込んでしまったような、淡い光の中にいるような、曖昧な雰囲気がとても好みだった。2016/06/30