内容説明
長いねむりからさめた大理石像の女の子にトラのじゅうたんが語りかけます。世界はなんと不思議にみちていることか…。小学校中学年から。
著者等紹介
ルーカス,デイヴィッド[ルーカス,デイヴィッド][Lucas,David]
1966年生まれ。英国王立芸術学院(RCA)を卒業後、絵本作家として活躍している。文章と絵をともに手がけた初めての絵本『カクレンボ・ジャクソン』(偕成社)は、本国で「たちどころに古典となる作品」と絶賛され、アメリカのAmazon.comにおいて2004年のベスト・ピクチャーブックに選ばれた。2008年には、英国のブックトラストにより、2000年以降にデビューした絵本作家の中からベスト・ニュー・イラストレーターズに選ばれた
なかがわちひろ[ナカガワチヒロ]
本名、中川千尋。1958年生まれ。児童書を中心に翻訳者として活躍するとともに、作家・画家として絵本や童話作品を手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
106
長い眠りから覚めた少女は、自分が大理石の彫刻である事に気づいた。足を伸ばしたいのに、瞬きさえできない。膝の上の本も大理石でできていて読む事はできない。部屋の床に敷かれた虎の絨毯が話し始める。君は魔法で石に変えられた人間の少女だ。おれにはかつて愛する家族がいた。家族を守る戦いに敗れ、気がつくと絨毯になっていた。その後で絨毯はいう。「おれはほらふきじゅうたんだ」。キスで魔法を解こうとした少年は年老いて、息を引き取ろうとしていた……。切なさ溢れる奇跡の物語。静かな感動が押し寄せるラスト。2009年11月初版。2016/05/25
ひらちゃん
52
石像のフェイスがある日突然目を覚ますところから始まる物語。トラのじゅうたんはほらふきだったの?いえ、寂しがりのフェイスを元気付ける嘘だったかもしれないじゃない。真実は何時だって真実らしくないじゃないか。白黒だけの絵がしんみりしてて素敵な絵本。いろんな風にとれる意味が隠されている気がします。2019/11/09
うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
35
大きな屋敷の中で長い眠りから目覚めた大理石で出来た少女・フェイス。身動きできない彼女に話かけてきたのはトラの絨毯で・・。波間を漂っているような不思議な読了感。そして細やかなイラストがとてもステキでした!何が正しいことで何が間違っているのか。何だか禅問答のようでした。著者の他の絵本も読んでみたいです!★★★★2012/04/12
る*る*る
24
長田弘・著「小さな本の大きな世界」紹介本。この、じゅうたんが言う世界が広がる言葉が心に残る。『いうべきことばを、いうべきときに、いうべき順番でいったんだろうね。』2016/07/21
魚京童!
18
いい本だった。なんだろうね。それ以上でも以下でもない。その通りなんだよね。幸せな気持ちになれる。それでいいのではないかって思う。なんだろうね。すべてはお金じゃないけど、比較ができない。最低限の生活があるけど、最低限ですらない人もいる。難しいよね。どこで線を引くか。2019/07/21