出版社内容情報
便利な生活が夜を明るくします。そんな夜を生きる動物たちの姿を通して光害問題を考えます。 小学校中学年から
内容説明
著者が受けとった、動物たちの、そして自然からの環境メッセージを伝えるシリーズ。本巻には、アナグマ、アマガエル、イエコウモリ、イソヒヨドリ、イヌ、ガ、カゲロウ、カワウ、キジ、キツネなどが登場する。小学中級から。
著者等紹介
宮崎学[ミヤザキマナブ]
1949年、長野県に生まれる。精密機械会社勤務を経て、1972年、独学でプロ写真家として独立。『けもの道』『鷲と鷹』で動物写真の世界に新風を巻き起こす。現在、「自然と人間」をテーマに、社会的視点に立った「自然界の報道写真家」として日本全国を舞台に活躍中。1978年『ふくろう』で第1回絵本にっぽん大賞。1982年『鷲と鷹』で日本写真協会新人賞。1990年『フクロウ』で第9回土門拳賞。1995年『死』で日本写真協会年度賞、『アニマル黙示録』で講談社出版文化賞受賞。現在、長野県駒ヶ根市在住。日本写真家協会会員
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感想・レビュー
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keroppi
64
先日NHK「日曜美術館」で、写真家の宮崎学さんを取り上げていた。動物写真家であるが、人間の営みを動物目線で描く。この本は、人間が作り出した明るい夜が、動物たちにどう影響を与えているかを撮影している。光に集まる虫、その虫を食べる動物。表紙の自動販売機にやってきたカエルも、そのひとつ。なんとも可愛いが、可愛いと思うだけでいいのだろうか。人間は、動物の生態を変えてしまっているのだ。2020/11/26
遠い日
10
動物の目で人の暮らしを見直すシリーズ。闇がなくなったわたしたちの夜。いつもどこも灯りに守られて、闇に町が沈むことはない。そんな明るい夜に活動する動物たち。人の暮らしのすぐ横で繰り広げられる彼らの狩りはもはや、自然界の力強さはない。動物たちも明るさに慣れて、その明るさをうまく利用するようになっているのだ。これでいいのか。このままでいいのかと宮崎さんは提言する。2017/01/30
円舞曲
10
表紙のカエルさんに惹かれました。実習のブックトーク用に。2012/11/27
のん@絵本童話専門
2
宮崎学さんが捉えた、身近な生き物たちの生態。人間の活動によって、夜でも明るくなり、動物たちの生態にも変化が訪れている。うまくその明るさを利用する生き物もたくさんいることが分かったが、人間が生き物たちの生活を変えてしまったことは否めない。環境問題について考えさせられるシリーズ。2022/02/23
茨木
1
私の地元は街灯も少なく天気の悪い夜は見通しが悪い。街灯増やせと悪態つくこともしばしば、でも満月の夜は驚くほど明るい。そんなことをふと思い返させてくれた本。宮崎さんの文は動物保護を訴えてる訳じゃないのになにか胸に置いて行く、それがじんわりあったかくてすき2009/06/06