出版社内容情報
昭和20年8月6日の朝、原爆にきずついた女の子は、まちんとまちんとと、トマトをねだって死んだ。 小学校低学年から一般むき
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
248
松谷みよ子・文、司 修・絵。広島の被爆をテーマに描かれた絵本。地の文は短いながら、せつせつと心に訴えかける。要所に広島弁を散りばめた語りも功を奏しているだろう。ちなみに、タイトルの「まちんと」は、コンテクストからすれば「もうちょっと」の意味だと思われる。女の子が鳥になってからも、「まちんと まちんと と なきながら とんでいる」との幻想への解放は、女の子と被害に遭った多くの人々の魂の普遍化を果たしてもいる。司修の絵も、実に丁寧に誠意を持って描かれてい る。被爆前の産業奨励館(原爆ドーム)と相生橋、⇒ 2025/09/05
紫綺
118
図書館の松谷みよ子さん追悼コーナーにて。かわいい女の子の表紙と幼児語のようなタイトルを見て、かわいらしいお話と思い読んだのだが、とんでもない。広島の原爆投下を描いた哀しい悲しいお話だった。松谷さんと司さんの平和への想いがひしひしと伝わる絵本。2015/03/15
馨
91
絵本。3歳の女の子が被曝して亡くなる話。原爆の描写だけで言葉は少なくても十分伝わります。平和記念公園の折り鶴の少女の像を小学生の時見に行って千羽鶴捧げた記憶が蘇ってきました。2021/06/20
yomineko@鬼畜ヴィタリにゃん💗
62
8月6日。ピカっと光ったのは1回だけなのに、、、たった1回なのに、、、被爆は一生涯。。。2025/08/23
糸車
56
高校生の頃、高岡良樹さんという歌手が若い世代の子に聴いてもらいたいとコンサートを開いてくださった。ろくな音響効果もない体育館。のびやかな歌声、ギター一本とは思えない迫力に圧倒された。中でも一番印象に残った歌が「まちんと」。このお話を下敷きにして作られた歌です。その後書店をまわりこの本を入手し、引っ越しのたびに一緒についてきた。何度読んでも泣かされる。戦争は弱いものにも容赦ないというシンプルな事実にうちのめされる。短い中にも大切なことを伝えてくれる本です。ぜひ手に取って読んでほしい。2015/07/08