内容説明
子育てをする虫・しでむしの一生を緻密で美しい絵で綴る絵本。
著者等紹介
舘野鴻[タテノヒロシ]
1968年、神奈川県横浜市に生まれる。札幌学院大学中退。幼少時より熊田千佳慕氏に師事。1986年北海道へ渡り、昆虫を中心に生物の観察を続けるが、大学在学中に演劇、舞踏、音楽と出会い舞台に上がる。その後舞台美術等の仕事をしながら音楽活動と昆虫採集を続ける。1996年神奈川県秦野に居を移してからは、生物調査の傍ら本格的に生物画の仕事を始め、図鑑や児童書の生物画、解剖図プレートなどを手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ままこ
91
自然はあらゆる生き物たちの営みによって循環する。死骸を土にかえす一員のヨツボシモンシデムシにスポットを当てた作品。職人技で死骸を肉だんご状にしてそこで子育てをする様子もリアルに描かれている。シデムシをちゃっかり乗り物として使っているダニ。乗り継いだ先でもまた乗車している。これは確かに幼なじみだな。緻密な絵で再現される食物連鎖。巻末の解説やあとがきも良かった。舘野鴻さん最初の絵本。2022/02/06
ぶち
80
読友さんのレビューを拝見して、とても興味を持ちました。 しでむし(死出虫)は、動物の死体に卵を産みつけ、死体を栄養として子供が成長していく埋葬虫とも呼ばれる虫です。この本では、アカネズミの死体を加工し、肉団子にして子どもを育てるのですが、その様子を精密で美しいで絵で紹介してくれます。リアルすぎて、気持ち悪く思う人もいるかもしれません。でも、生命とはそうやって成り立っているのですね。生命の連鎖を伝えてくれる、科学絵本です。作者の生き物への思いが感じられる良書です。2024/10/12
モリー
70
“しでむし”は動物の死体のあるところに出てくるのでそう呼ばれるらしい。死体を土に埋める習性もあるため、埋葬虫とも呼ばれるそうだ。もし動物の死体がカラーで描かれていたら、そのおぞまし様相に大人の私でも目を背けたくなるに違いない。しかし、この絵本ではそのようなシーンは昆虫だけに色が塗られ、死体は精密に描かれてはいるものの白黒であるため、子供でも直視できるだろう。さて、驚くのはここからである。昆虫が動物の死体を食べるということ以上に驚かされるのは、しでむしが人間のように雌雄のペアで子育てをすることだ。↓下に続く2022/11/26
seacalf
70
近所のウォーキングコース途中に雑木林があって、その小道をコミカルに横切る甲虫がいる。小学生以来止まっている虫知識を手繰り寄せて『オサムシ、いやシデムシかな?!』という訳でこの絵本。最初はあかねずみの生体紹介から。 美しさを感じるほど微細な描写の為、中盤以降は生々しいので虫が苦手な方は要注意。しかし圧倒される。舘野鴻さんの描く世界は静謐かつドラマティックで文学的ですらある。シデムシというマイナーな存在から命の営みのサイクルのダイナミックさを感じられる。よく見かけるのはオオヒラタシデムシとわかり、スッキリ。2022/08/18
yomineko@ヴィタリにゃん
62
読み友様からのご紹介本です📙内藤了先生の小説にも出て来る「死出虫」赤ネズミが息絶えると、やって来たニクバエとキンバエ。そして死出虫。オスメス仲良く子育てをする微笑ましい虫。動物の死体は彼らが綺麗にしてくれる。なくてはならない存在。ありがとう、死出虫!!!とても良い絵本です😊2024/02/17
-
- 電子書籍
- 極婚~超溺愛ヤクザとケイヤク結婚!?~…