内容説明
今は昔、京の都にいた権大納言のお話です。ともだちの陰陽師の家で、むちゅうになって碁をうっていた権大納言は、すっかり日がくれてから家にかえることになりました。とちゅう、川のむこうからやってくる鬼たちをみつけて、あわてて橋の下にかくれてやりすごしたのですが、そのあと、権大納言の身にふしぎなことがおこります。ゆたかなイマジネーションが生みだしたあやかしの者がそここにいる世界。900年前の日本っておもしろい。平安文学を代表する説話集。『今昔物語集』の世界をあざやかに絵本化。
著者等紹介
ほりかわりまこ[ホリカワリマコ]
堀川理万子。1965年東京生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科修了。テンペラで描いたタブローによる個展を定期的に開くとともに、絵本作家、イラストレーターとして活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
261
『今昔物語集』巻十六第三十二話「隠形男依六角堂観音助顕身語 第卅二」を原典とする古典説話絵本。原典と大きく違うのは、原話が六角堂の観音霊験譚であったのに対して、陰陽師の助けに変えたこと。仏教説話は古いと考えたのだろうが、原話の持つ力を弱めてしまったことも否めない。古典説話を換骨奪胎するなら、やはり芥川くらいの力量がいるだろう。ほりかわりまこ の絵だが、わかりやすくはあるものの、鬼の一行に迫力を欠く。ここは思いっきり恐くないと子どもたちにも響かないのでは。2024/11/22
KAZOO
133
ほりかわりまこさんの今昔物語のシリーズの第2作です。絵の色合いと人物像が結構前の本と同様に楽しめます。話の内容は夢枕さんの「陰陽師」シリーズの中の内容に似ていてかなり私には好みです。異形の者たちもあまり怖そうには感じませんでした。子供向きだからでしょうね。2016/12/24
♪みどりpiyopiyo♪
61
今は昔、京の都にいた権大納言のお話です。友だちの陰陽師の家からの帰り道、橋のたもとで鬼たちに出くわした権大納言の身に、その後ふしぎなことが起こります。■『権大納言とおどるきのこ』が面白かったので、同じほりかわりまこさんの 同じシリーズを。平安文学を代表する説話集『今昔物語集』の世界の絵本です。■ぽかんとする権大納言、しょんぼりする権大納言、そしてにっこりする権大納言。権大納言かわいい(ღ′◡‵) ■900年前の日本っておもしろい。都大路の長閑さや、古い和紙の模様みたいな見返しも好きです♪(2010年)2016/12/31
つくよみ
51
図書館本:ともだちの陰陽師の家で碁を楽しんだ権大納言。その帰り道、橋で百鬼夜行に出くわす。そこで、鬼にツバを吐きかけられて・・・?呪いで姿が消えてしまった権大納言。人にも見えず、鏡にも写らず。それでも、一晩寝れば元通りになっているかも?とあっさり寝てしまうところが大人物?翌日訪ねてきた頼みの陰陽師も、権大納言が消えた事に対して反応が薄いと言うか・・・最後は、偶然も手伝って、なんとか元に戻れた権大納言だった。魑魅魍魎が跋扈する平安時代の闇の中を、可愛らしい絵で垣間見ることの出来た作品。2013/11/03
Smileえっちゃん
49
今は昔から始まる今昔物語絵本。図書館本。今は昔、京の都にいた権大納言、怖がりでおっちょこちょいのお人よし。なんか可愛いですね。お友達の陰陽師の処に遊びに行った帰り、鬼に出会い唾をかけられてしまった。鬼に唾をかけられると姿が消えてしまうと言う。どうなることかと思った。結果は陰陽師に助けられた事になったのかな・・・ほりかわりまこさんの絵にほっこりしますね。2023/09/03