出版社内容情報
ダーラナは旅のとちゅう、浜辺にたどりつきました。
「ダーラナ ダーラナ わたしたちを あつめてごらん」
「たきびをして あたたまっていきなさい」
ささやき声にみちびかれ、ダーラナは枝をあつめて火をつけようとしますが、マッチがなかなか見つかりません。すると、夕日の最後のひとかけがはじけて、枝のこやまに飛び込みました。ちいさな火は、だんだんと大きくなって、ダーラナをあたためます。
やがて、夜も深くなってきました。火を見つめるダーラナがおもいだしたのは……。
旅のとちゅうでふと出会う、魔法のような時間。
おもわずじっとみつめてしまう、焚き火の絵本です。
内容説明
「ダーラナ ダーラナ こんばんは」ひはりっぱなたきびになりました。旅のとちゅうでふと出会う、魔法のような時間。5歳から。
著者等紹介
nakaban[NAKABAN]
1974年広島県生まれ。旅と記憶を主題とし、絵の中を旅するように風景を描く。絵画を中心に、絵本、アニメーションなどを制作。音楽家のトウヤマタケオと「ランテルナムジカ」を結成し、音楽と幻燈で全国を旅している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ツキノ
24
【独特の色使いな絵×幻想的な話】2021年11月発行。著者のnakaban(ナカバン)は「旅と記憶を主題とし、絵の中を旅するように風景を描く」という。その通りだと思う魅力的な絵本。【1】2022/01/02
anne@灯れ松明の火
22
新着棚で。リア友さんご紹介で、手に取った。表紙は、夜なので黒い背景に暗めの絵だが、本文は思いがけずカラフルだった。ダーラナという子はひとりで旅しているらしい。背景的なことは一切語られず、ある夜の不思議な出来事だけが描かれる。ダーラナは、旅の途中、浜辺で、不思議な声に導かれ、枝を集め、焚火をしようとするが……。焚火の美しさ、迫力に引き込まれる全く根拠はないのだが、「ダーラナ」という名前に仏教的なのものを感じたが検索すると、北欧の県の名前だった。でも、私は、この本にアジアの香りを感じた。版画風の返しも素敵。2021/12/26
なま
14
★4 キャンプファイヤーを調べる上で「火」の役割や「f分の1のゆらぎ」との関連書を探す中で偶然手に取った。あらすじ的には旅するダーラナには自然の中にある波、夕日、木の枝等がささやく声を聞くことができる。旅で疲れた体を自然と対話し、自分に必要な一晩の安らぎを得て、また旅に出るお話。ダーラナが火を見つめる場面の顔が好き。瞳が好き。パチパチと小枝がはぜる音や燃える香り、その背後から波の音が聞こえて肌寒い深夜の透明感迄感じるような一枚。4分。2023/10/10
spatz
13
太陽のかけらが・・・いいなあこれ。 斬新なようででも結構身近に感じられる。燃える光、てかなり非日常ではないだろうか。火は人類に大きな進歩をもたらした恵みでもあり、使い方によっては危険で武器にもなる。事故を防ぐための進化した調理器具が普及している。火が出ないので安全。暖房も都会の暖房は燃える火を見ないだろうと思う。火は原始の力で、とても心に響く、特別な力を持ったものです。魔法のような力を持っています。大事すればとても優しい、我々の味方です。そんなことを思わせてくれる本でした。 #NetGalleyJP 2021/10/24
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
11
少女ダーナラは周りの自然からたくさんの声をかけられます。人間にとって大切な火を自然の声で手にしたダーナラ。自然に助けられダーナラが向かう先は、広大な草原なのか、次元と違うどこかなのか…。2023/12/07