内容説明
ひみつのお茶会。わたし、おばあちゃんのいえにケーキをとどけにいくところなんです。おつかいのとちゅうでキッコちゃんがまよいこんだのは―?4歳から。
著者等紹介
みやこしあきこ[ミヤコシアキコ]
宮越暁子。1982年埼玉県生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。在学中、「ニッサン童話と絵本のグランプリ」で優秀賞を受賞。卒業後は、木炭画やコラージュ、アニメーションなど様々な技法を用いて作品を作りつづけ、個展やグループ展などで発表。現在フリーのイラストレーターとして活動している。2009年には初の絵本『たいふうがくる』(BL出版)を出版。東京都在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やすらぎ
214
お父さんの忘れものを届けたくて、足跡を追いかけて森の奥へ。おばあちゃんのお家へ向かっていたはずなのに何処へ来ちゃったの。冬の時間は他の季節より少し長く感じるから、温まる場所を探しているのかな。空が晴れて明るくなると、みんなが自然とここに集まってくる。厚い雲に覆われると自分を見失うことが増えるから、もし寒空を歩いて切なくなるなら木の実や果物を持ち歩いているといいのかな。ほっこりする絵本。マーチの音が聴こえてきたらきっとあたたまる。みんなで行進して少しずつ分け合う優しさを奏でながら進もう。ようこそ、お茶会へ。2023/02/18
シナモン
163
冬の静かな森の中にはこんな不思議な世界があるのかな。モノトーンにちょっとの赤、黄色。抑えられた配色に雪に覆われたなかにも森の暖かさが伝わってきました。森の恵みいっぱいのケーキのページに思わず顔がほころびます。とても好きな雰囲気の絵本でした。2021/01/14
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
148
子どものころはすぐ傍にふしぎな世界の入り口が開かれていて、そこはお母さんのクローゼットだったり通学路とはちがう家へのかえり道だったり筍を取りに行った薄ぐらい山のなかだったりした。そちら側は誰もいないようで何かの気配があって。やさしかったりこわかったりした。そんな記憶。記憶の色はいつもくらくぼんやりとしていて、時々はっとするぐらい鮮やかな色がのこってる。なんだかそんなことを思いだした。2020/12/06
ぶち
114
主人公がお父さんを追いかけていって、お父さんだと思っていた人が実は大きなクマだったと分かったときの不安な気持ち...デパートに出かけ、父も母も私のすぐ後ろにいると思っていたのに、振り返ると知らない人だったときの心細くて不安で、泣きそうになった幼い頃の気持ちが蘇えってきました。モノトーンの絵がそんな不安な気持ちを描き出しています。それに反してそこだけ赤や黄で色鮮やかに描かれたケーキ!お茶会に招き入れてくれ、ケーキを分けてくれた動物たちの優しい気持ちを鮮やかに表わしていて、私も温かい気持ちになっていました。2020/12/27
ままこ
105
キッコちゃんはお父さんが忘れていったおばあちゃんへのお土産を届けに行くことに。森を通っていく途中でアクシデントに遭い、導かれた先では素敵なお茶会が開催されていた。木の実やくだものがぎっしり詰まったケーキが美味しそう!モノトーンの中に差し色が効いたみやこしあきこさんの丁寧で優しいタッチの絵が印象的。寒い冬に心温まるファンタジックなお話。2021/01/05