内容説明
声の森という、ふしぎな森がありました。この森にまよいこんだ動物はどんな動物も、いくつものこだまにおびえ森のなかでちからつきてしまうのでした。ところがこのおそろしい森からちゃんとかえってきた小さな女の子がいました。これはゆうかんでやさしい女の子つぼみちゃんのおはなしです。5歳から大人まで。
著者等紹介
安房直子[アワナオコ]
1943年、東京に生まれる。日本女子大学国文科卒業。在学中より山室静氏に師事、「目白兒童文学」「海賊」を中心に、かずかずの美しい物語を発表するが、1993年永眠。「さんしょっ子」第3回日本児童文学者協会新人賞、『北風のわすれたハンカチ』第19回サンケイ児童出版文化賞推薦、『風と木の歌』第22回小学館文学賞、『遠い野ばらの村』第20会野間児童文芸賞、『山の童話風のローラースケート』第3回新美南吉児童文学賞、『花豆の煮えるまで―小夜の物語』ひろすけ童話賞、赤い鳥文学賞特別賞等を受賞
ひろかわさえこ[ヒロカワサエコ]
1953年、北海道小樽市に生まれる。武蔵野美術大学商業デザイン科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ヒラP@ehon.gohon
29
絵本と言うには、少し長めの童話の世界です。ミステリアスで、ちょっと不気味なお話なのですが、ひろかわさえこさんの絵に包まれて、幻想的な作品になっています。 自分の声がこだまして、出ることができない森が家のそばにあったらこわいですね。 つぼみちゃんが一夜を過ごして、夜明けに家に帰ったところののどかさには驚きましたが。2023/05/31
浅葱@
25
外国の童話だと継母や王女が出てきそうな話をすっきりと結末にいける感じ。さすが安房直子さんの文章!これなら、怖がりの子でもゆっくり見られるのかも。ただ女の子の表情がはっきりし過ぎで浮いているのは残念。それと、カバー見返しにあらすじがあるのも私は好きじゃないです。あくまでも好みの問題なのですが。2013/07/15
花林糖
19
表紙の雰囲気とは違い不気味さのあるお話でした。声の森ではなく怖い森ですね。お話は好みだけど女の子の表情(顔)が少し残念。一晩子供が帰らなくても心配しない両親が一番不気味なのでは、と思いました。2016/01/11
anne@灯れ松明の火
18
ひろかわさえこさん講演会予習。不思議な、怖いお話。あまり好みではなかった。2019/01/16
Cinejazz
14
〝「声の森」という、不思議な森がありました。そこには、生き物はなく、もっと古い柏の木が、鬱蒼と生い茂っているばかりでした。柏の木は、みんな 「人まねの木」でした。この森に迷い込んだら、声の木に吸い込まれて、森の養分になってしまう、怖ろしい処でした…この森から少し離れた場所に、一軒の開拓農家があって、そこに小さな女の子(つぼみチャン)が住んでいました。ある日、この農家の我儘な雄鶏が「声の森」の中に入り込んでしまい、慌てて後を追った女の子は…⁉〟<安房直子>さん作、<ひろかわ さえこ>さん絵の癒しの童話です。2024/11/06
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