出版社内容情報
【目次】
内容説明
生成AIと人間の言語システムには、決定的な違いがある―それにもかかわらず、今、言語習得過程にある子どもたちに「おしゃべりする生成AI」が手渡されようとしている。二児の父でもある言語学者が、切実な危機感を込めて警鐘を鳴らす。
目次
第一章 「おしゃべり上手」でもヒトの言葉とは違う
第二章 「安心」にはまだ早い?子育てと生成AIの相性を考える
第三章 言語のプロはおしゃべりアプリをどう見る?
第四章 おしゃべりAI、本当に「おしゃべり」してるの?―Cotomoを例に
第五章 生成AIと“友だち”になりかけた話
第六章 音で伝わるもの、文字でこぼれるもの
第七章 赤ちゃんはテレビやAIからことばを学べるのか?
第八章 未来への処方箋―心理学者・皆川泰代先生と語る
第九章 子どもたちを守るために、スマホとの距離を考える
付録
著者等紹介
川原繁人[カワハラシゲト]
慶應義塾大学言語文化研究所教授。国際基督教大学訪問研究員。2002年、国際基督教大学卒業。2007年、マサチューセッツ大学にて博士号(言語学)取得。ジョージア大学、ラトガース大学を経て現職。専門は言語学・音声学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
104
川原先生の本が好きだ。音声学の興味深い内容を楽しい文章で紹介してくれる。本書では二児の父として「生成AIを子どもの話し相手とするのがいいか」を悩む。結論は明快。リスクが大きすぎると。生成AIの否定ではなく、あくまで子育てに用いることへの懸念である。書き言葉をデータとするAIと話し言葉との違い、ハルシネーションの問題やイントネーションなど様々な課題が列挙される。でも、著者が本当に言いたいのは、AIの是非ではなく、子どもが言語を習得するという神秘的な過程に関わることこそが、親としての幸せなんだということかも。2025/11/20
よっち
29
言語習得過程にある子どもたちに「おしゃべりする生成AI」を手渡して大丈夫なのか、2児の父でもある言語学者が切実な危機感を込めて警鐘を鳴らす1冊。AIに話し相手をさせることは実験なしの新薬投与ではと危惧を抱く著者が、言語学者の立場から子育てと生成AIの未知数な相性や、会話ではAIに人が譲る場合も多いこと、音で伝わるものと文字でこぼれるもの、赤ちゃんはテレビやAIから言葉を学べるのか、子どもとスマホの距離といった内容を検証していて、AIを使うたびに向こう側で膨大な電力を使用する点には思い至っていませんでした。2025/11/12
つまみ食い
8
スマホの普及はかなりの程度、人間のコミュニケーションにおける書かれた言葉の比重を増したと考えられるが、スマホ以後の現在読むとAIと子どもの関係の批判的な検討を行なったこの本は人間にとっての会話や非言語的なコミュニケーションの重要性の論点を整理して示しているものとしても読める。2025/12/02
keisuke
4
図書館。2025/11/13
Gaudi
1
そんなに手放しで受け入れようとしていて、いいのかい? と眉を顰めることの方が多いです。 現時点での注意点を簡潔にまとめてくれています。 間違えるなよ、時代の流れで世界が崩壊してはならんのだ。2025/11/09




