出版社内容情報
小山堅[コヤマケン]
著・文・その他
内容説明
経済と生活の大動脈“エネルギー”世界はこの試練を乗り越えられるのか?ロシアによるウクライナ侵攻により、エネルギー市場は大混乱に陥り、「サハリン2」日本排除は電力逼迫を深刻化させる。世界中でエネルギーの供給や安全保障が危機にある今、自給率が低く外交上不利な日本はどう対応すればいいのか。エネルギーを巡る地政学リスクを読み解き、わが国がとるべき政策と外交を示す、刮目の書!
目次
序章 国際エネルギー情勢と地政学
第1章 2021年以降のエネルギー価格高騰―不安定化する国際エネルギー市場
第2章 ウクライナ危機のインパクトと地政学
第3章 重要さ増すエネルギー安全保障
第4章 ウクライナ危機と脱炭素化―その影響と課題
第5章 国際エネルギー秩序の現状と課題
第6章 国際エネルギー情勢を左右する地政学―主要国の相互関係
第7章 エネルギー地政学を左右する主要国―各国の地域情勢と重要性
第8章 日本の課題と対応戦略
著者等紹介
小山堅[コヤマケン]
1986早稲田大学大学院経済学修士修了、日本エネルギー経済研究所入所。2001年英国ダンディ大学博士号取得。2011年同研究所常務理事、首席研究員、2020年同研究所専務理事、首席研究員。2013年東京大学公共政策大学院客員教授。専門分野は国際石油・エネルギー情勢、エネルギー安全保障問題(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
113
著者とは長いお付合いである。エネルギー問題を無責任に発言する論者が多い中で、取引や国際環境を熟知した小山さんは、日本を代表するオピニオンリーダーである。マスコミは原油価格が急騰すると騒ぎ立てるが、本書の中でも、2020年4月にWTIの原油先物価格が10ドル台(一時的にはマイナス37ドル)に下落した事象がしっかりと指摘され、ウクライナ危機と第一次石油危機が状況的に酷似しているとの分析は、小山さんらしい視野の広さである。脱炭素化社会への道程において、エネルギー安全保障問題が複雑化し重層化する難しさを痛感する。2022/09/28
ベンアル
16
本屋併設のカフェで本を借りて一気読み。ガソリン料金が上がった原因、エネルギー安全保障、カーボンニュートラルについて詳しく説明している。また、主要国のエネルギー事情や近年の外交関係もまとめられている。日本の中東への石油依存率が90%という数字が衝撃的だった。原子力、再生エネルギーの活用、天然ガスの採掘などエネルギー自給率を上げるために課題はたくさんある。2023/11/25
とある本棚
11
近年のエネルギーに関わるトピックを概観するには手堅い一冊。学術的というよりは、日々の新聞のニュースを整理し直したという印象。ただそのことが悪いということは全くなく、ニュースで見る各事象が相互にどのように関係しているかをざっと理解できる。脱炭素の流れの中で石炭石油の上流への投資が減少傾向にあったが、ウクライナ戦争でエネルギー安全保障が再び脚光を浴び、エネルギーミックスの再検討が進められているとのこと。欧州では、小型モジュール炉を中心に原子力回帰も見受けられる。翻って日本は今後どういう針路を取るか注視したい。2022/12/06
hiyu
7
ウクライナを中心としたエネルギー問題について触れてあり、なかなか硬派な内容である。返す返すも海外に依存するだけでなくいわば偏在するかのような状況、安全保障問題を含めたエネルギーバランスの問題等喫緊の課題がてんこ盛りであった。2023/08/03
dexter4620
5
日本、米国、欧州、中国、ロシア、中東を中心にウクライナ戦争後のエネルギー問題について言及する一冊。エネルギーの純輸入国と産出国の違いを述べ、それを現代の国際関係に落とし込んで解説してくれる。2024/02/23
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