朝日新書<br> グローバリズム以後―アメリカ帝国の失墜と日本の運命

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朝日新書
グローバリズム以後―アメリカ帝国の失墜と日本の運命

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  • サイズ 新書判/ページ数 198p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784022736895
  • NDC分類 304
  • Cコード C0295

出版社内容情報



エマニュエル・トッド[エマニュエル トッド]

内容説明

トランプ・ショック、英国EU離脱、憎悪とテロの連鎖。どの国もうまくいかない歴史の大転換期を鮮やかに読み解く。グローバリズムが先進国の中間層を解体し、社会を分断する。民族の自律性と民主主義への懐疑が黒雲のように広がる。中東では国家の解体という最悪のプロセスが進行する。このおそるべきニヒリズムを乗り越えるには―。朝日新聞による日本向けインタビューを網羅。9・11以降の現代史の奔流が手に取るようにわかる!

目次

1 夢の時代の終わり(2016年8月30日)(米国が変わろうとしている;一つの世代が過ぎて ほか)
2 暴力・分断・ニヒリズム(2016年1月27日)(広がる国家解体のプロセス;イスラムの崩壊としてのIS ほか)
3 グローバル化と民主主義の危機(好戦的な、いわば狂気が世界に広がりつつある(2015年2月19日)
「国家」が決定的な重みを持つ時代(2014年7月8日) ほか)
4 アメリカ「金融帝国」の終焉(今や米国は問題をもたらす存在でしかない(2008年10月30日)
グローバル化は単なる経済自由主義ではなく、より厄介だ(2008年3月31日) ほか)
5 終わらない「対テロ」戦争(日本は米国以外の同盟国を持つべきだ(2004年2月4日)
帝国アメリカは崩壊過程にある(2003年2月8日) ほか)

著者等紹介

トッド,エマニュエル[トッド,エマニュエル] [Todd,Emmanuel]
1951年フランス生まれ。歴史家、文化人類学者、人口学者。家族制度や識字率、出生率に基づき現代政治や社会を分析し、ソ連崩壊、米国の金融危機、アラブの春、英国EU離脱などを予言(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Miyoshi Hirotaka

63
識字率の上昇は権威の独占を解体し、経済的発展や民主化を促すが、人口面では出生率の低下をもたらす。ところが、どんな社会でもこの過程で伝統的なシステムと決別するための政治的な危機を経験する。これが近代化。一方、グローバル化は識字化が世界に行き渡り、教育レベルが一致した時に達成される。長期的に歴史を動かすのは経済ではなく教育。文字を変えて、過去を断絶したり、情報をコントロールしたりするのはこれに逆行。文明が接近しても戦争はなくならないが、それは国際的な経済問題を解決できないことのガス抜きで、文明の衝突ではない。2017/10/28

さきん

43
トッド氏の世界情勢読みを知る入門書としては、分量も適当で良いと思う。何冊もトッド氏の本は読んできたので特に驚くことはないが、エリートと呼ばれる人達が逆にトッド氏の半分の想像力も感じさせてくれないのは悲しすぎる。イギリスや日本のように歴史をしっかり背負っている国こそ経済格差やトップの腐敗、国家の衰退、行き過ぎたグローバル化という問題に直面した時にポッと社会をよい方向へ引っ張っていくエリートや大人物を輩出するだろうということは大いに期待したい。私もできることはやる。2017/01/01

YúKa(ユーカ)@ハガレン読み終えました

37
近代化とは識字率が上がること。それに伴い、出生率が下がり、混乱(ドイツのナチズム、中国の文化大革命など)が起きる。目から鱗が落ちる良書。著者の本をもっと読みたいと思う。でも、難しくて、読むのが精一杯。この本を読んだときほど、近現代史の知識が不足していることを悔やんだことはなかった。「○○が△△になっている地域は、家族構造が□□である地域と重なる」って記述があるけど、そこら辺は地図の分布図で解説してほしかった。2016/11/30

Isamash

35
1951年生まれの仏歴史学者エマニュエル・トッドへのインタビュー。2016年出版でインタビュアーは朝日新聞の大野博人・編集委員。家族形態、人口動態、識字率等から物事を捉えるトッド氏著作は常に刺激的だが、今回は日本の核武装を東アジア平和維持のための一方法として提案。イスラム社会、特にイランは選挙も実施されており、近代化が進みつつあると説く。ドイツが力を持ちすぎた弊害、そして欧州の難民受け入れが多大過ぎて、社会構造を壊してしまうことを危惧。欧米日本に社会危機が存在し、近似する国家間ほど戦争リスク大と論じてる。2022/07/13

ゆう。

35
米国の帝国としての衰退とその矛盾のあらわれを考えることができる内容だったように思います。その矛盾がトランプ現象とサンダースの躍進にあわられているのだと思います。しかし、日本やイランが核武装することで世界は安定するという提案は大いなる疑問がわきます。もし、この本が核兵器禁止条約の後に出版されるとしたら同じ主張になったのでしょうか。核兵器で作られる安定は、緊張に孕んだ安定であり、平和ではなく人類の発展とも矛盾します。トッド氏は社会運動を分析の際に考慮していない点が弱さかもしれません。2017/08/14

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