出版社内容情報
【自然科学/自然科学総記】災害研究の第一人者が緊急警告! 止まらぬ地球温暖化で殺人級大雨が日本を壊滅させる。豪雨のメカニズムと日本の深刻な水害リスクを解き、治水の歴史・現状と今後の対策を提示。「熊本地震」の原因や今後の課題についても考察。
河田惠昭[カワタヨシアキ]
内容説明
止まらぬ地球温暖化による「殺人級大雨」と地震が誘発する津波、土砂崩れなどの「複合水害」が、日本列島を襲う!豪雨や台風のメカニズムから、日本各都市で過去に発生した災害を総括しつつ今後の「縮災」「減災」の対策を提示。
目次
第1章 水害や水没の多発・激化は地球温暖化が元凶
第2章 世界の大都市の水没危険性
第3章 東京の水没危険性
第4章 広域・集中・ゲリラ豪雨による水害の違い
第5章 新たな高潮災害と教訓
第6章 新たな津波災害と教訓
第7章 複合災害となる首都直下地震と首都水没
第8章 縮災そして防災省の創設―2016年熊本地震で確認できたこと
著者等紹介
河田惠昭[カワタヨシアキ]
1946年大阪生まれ。京都大学大学院工学研究科博士課程修了。京都大学名誉教授、関西大学社会安全学部特別任命教授(チェアプロフェッサー)、人と防災未来センター長。東日本大震災復興構想会議委員。専門は防災・減災、危機管理。日本自然災害学会会長や、日本災害情報学会会長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
樋口佳之
36
江戸幕府が力を失い、明治維新政府が到来した直接の原因となったのが、安政の複合災害である。わが国の歴史学者は、大災害の衝撃の大きさを無視しがちである。幕末の日本を襲った巨大複合災害の影響を、江戸幕府崩壊の副次的原因の一つくらいにしか見ていないなどは、その典型例/毎年のように何処かで浸水や氾濫があり、巨大地震は確実視されているわけだから、本気で2週間程度の水食料は備蓄しないとなあ。2020/09/14
ゆうゆう
8
何で日本は「防災」なのか、残念に思った。世界基準で、災害は起こるものだから、減災とか縮災の対策をとるようになれたら、それには一人一人の意識も違ってくるのではないかと思う。台風高潮後の関空、地滑り液状化を起こした北海道胆振の地震の後では、何だか預言者のようで…今は東京に住んでいるが、どこに住んでいようと意識を少し変えないとダメな気がしてならない。2018/09/10
よし
4
防災研究の第一人者、河田先生が地球温暖化に伴う大規模な水害の危険性や対策についてまとめられた本。都市部で水害が起きた場合の様々な危険性を中心に書かれていますが、検証体制の強化や災害切迫・発生時における(行政・専門家による)連携体制の構築といったことは、どの地域にとっても必要。先般、岩手県が大きな被害を受けた台風第10号を振り返って、そう思いました。2016/10/02
ともふく
4
決して他人事と思ってはいけない災害の怖さ。著者は歴史や数字、事例の積み上げと検証からそれを説得力のある形で伝えてくれている。この国家財政の状況でひとたび大きな災害が起これば、本当に日本は沈没してしまうだろう。先を見てしっかり備えなければ。是非多くの人に読んでもらいたい本。2016/09/18
yyrn
2
日本各地で多発している豪雨災害を思うと、この本で指摘されている様々な対策は急務だろうが、東京や大阪、名古屋などの大都市での対策は莫大な予算がかかるばかりでなく、豪雨時に地下街の入口をふさいだり相互乗り入れの地下鉄を止めるための事前調整などが全然進んでいないのは、水害を考慮せずに開発が進んだせいで、手つかずの状態だという指摘には背筋が寒くなった。地下水の大量汲み上げで広範囲に地盤沈下がみられる三大都市圏は河川の氾濫ばかりでなく高潮や津波でも非常にぜい弱だという。東京出張は用事が済んだらすぐ帰ろう(涙)2016/09/12
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