朝日新書<br> 江戸の幽明―東京境界めぐり

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朝日新書
江戸の幽明―東京境界めぐり

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  • サイズ 新書判/ページ数 507p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784022735881
  • NDC分類 213.6
  • Cコード C0276

内容説明

どこまでが江戸の内なのだろう?江戸人となった著者が、御府内と郊外との境界線を探る旅に出た!将軍お膝元の日本橋では大店がならび殷賑をきわめるが、一方、信仰に賑わう目黒は国賊たちを祀る所でもあった。田園調布にムサシをベースとした多摩川文化を、明治神宮や哲学堂では古来の営みを感じ、板橋・練馬では著者の育った戦後の思い出がこもる。開国築地に着いて江戸一周は明治となり、朱引の内外を楽しむ紀行も大団円!

目次

第1部 江戸とはどんな場所だったか(江戸の自然と風土の成立;江戸の二里四方、四里四方、十里四方をさぐる;江戸中心部から発想する「らせん」の町 ほか)
第2部 朱引のうちそと―江戸の周縁ガイド(目黒の虚無僧に出会う;電化生活の最先端 田園調布の都市開発;玉川上水に文化の風吹きわたる ほか)
第3部 拾遺編―東京総覧と江戸細見(何度聞いても分かりにくい江戸=東京の区割総まとめ;江戸の周縁に見られた文化)

著者等紹介

荒俣宏[アラマタヒロシ]
1947年、東京生まれ。慶應義塾大学卒。博物学者、図像学者、翻訳家、小説家、妖怪評論家など多数の肩書がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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HANA

51
紀行文は楽しい。それが著者のホームグラウンドなら尚更。というわけで東京人による東京散歩。主な紀行場所は江戸の朱引の外、いわば江戸時代の辺境を歩くというコンセプトだが、自分の様は非東京人にとってはどこも完全に日本の中心部であるというイメージ。土地勘がほぼ零なため、地名を出されてもピンとこないが、舞台となっているどの場所にもゲニウス・ロキ的な土地の記憶みたいなものが読みながらも垣間見える。面白かったのは平井呈一を考証した部分と哲学堂等の公園、庭園を説いた部分。あー、また東京行きたくなってきてしまった。2015/03/01

トムトム

30
こういう過去の知識がある人と町を散策したら、楽しいだろうなぁ♪荒俣さんが江戸をブラリとお散歩します。「私的なことを長々と書いてしまい恐縮ですが」とありますが、ファンはそういう荒俣さんの感じたことなどを読みたいのですよ!なのでOKです。データがぎっちりの他の荒俣さんの本に比べると、読みやすかったです。2021/07/28

夜の女王

25
江戸の中心日本橋の老舗レポートから始まり、朱引線の際(ほぼ23区周辺部)の土地に纏わるあれこれを語って、失われつつある江戸東京を語った本。『幽明』とはこういうことだろうか?の割には、文中に荒俣氏らしい妖しい雰囲気は感じない。知ってるウンチクも多くて文章も面倒臭いが、お気に入りの三光稲荷が江戸時代の稲荷番付で西前頭だったとか、荒俣氏の文の師匠が上野うさぎ屋の兄弟だったとか、さらに荷風と悶着があったとか、知らないエピソードは興味深かった。中野の哲学堂の章では一際筆に力が入ってるような…気のせいでは無いだろう。2020/06/13

猫丸

20
著者あとがきより「おそらく本書をもって、私の故郷東京の探訪記は書き納めということになるかと思う」。荒俣さんも72歳。早晩妖怪にならんとする自覚が垣間見られ、寂しい気持ちになる。著述家としての店仕舞いを考える年齢か。荒俣さんの研究が集大成された著を読むまでは僕も生きていたい。さて本書は東京周縁部がターゲットだ。荒俣さんの年少時代の追憶とともに、朱引の境界領域を巡る。経済・行政の中核から離れた地は将軍家の狩場、富豪の庭園、庶民のテーマパークなど、さまざまな顔を見せる。2020/04/20

kk

14
図書館本。都鄙と聖俗が入り混じる旧江戸の周辺部。そこにはかつての江戸の面影や江戸っ子文化の残り香だの不思議な気配だの、何やら面白いものが息づいているのではないか。そんなこんな思いを胸にして、当代きっての博物学者or妖怪先生の荒俣宏が「朱引」の内外をほっつき歩いて、いちいちものに感じ入るといった内容。お話は街や老舗の成り立ちから、著者の幼少期の思い出、さらには江戸文化の捉え方、ちょっとした文学談義にまで及びます。この先生の視線や感じ方、いつもながらですが、kkのツボに嵌ってしまいます。2022/08/02

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