感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kagetrasama-aoi(葵・橘)
33
「百鬼夜行抄」第九巻。「番人の口笛」「天上の大将」「床下の賢人」「介添人」「迎えにきて」「鬼の面」「野に放たれて」の七編。一度読んだだけでは理解しきれない話が多かったです。読み返すと怖さが倍増する「鬼の面」、ほんと怖かったです。「介添人」は伶と八重子の若かりし頃の話、怖さの中にも仄仄したエピが(*^^*)。“兄のつもり”って!「天上の大将」は尾白と尾黒の過去話。妖魔になるくらいなんだから、明るい過去ではないのは当然なんだろうけど。白菊と藤丸、名前が雅ですね。2021/05/07
糸車
29
一番よかったのが「介添人」。自分が大切に思う人を次々奪われた蝸牛さんが姉の幸せを願うあまり自分の側から遠ざける気持ちが切ない。同じように重子さんを遠ざけようとしつつも、目が離せない。なんて不器用な。若かりし日の蝸牛さんと八重子さんの両片思い。好きなお話なので何度も読み返し、ようやく飯嶋家に出入りしていた書生さんが誰なのか分かった・・・!(遅い)もののけの類じゃなかったのね。ほっ。2016/01/18
アイシャ
23
古い村のしきたりや祟りの話はすごく怖い。三郎さんを探して彷徨う晶ちゃんが可愛そうだ。晶ちゃんを探しに来た律、青嵐、開さんと一作目はオールスターキャスト。姪の事とはいえ過酷な体験をした開さんはとても俯瞰してみてる。冷たいとも言えるし、真実を言っているとも言える。八重子おばあちゃんと蝸牛おじいちゃんのなれ初めの話はよい。化け物屋敷に住んでいるのに、明るい律のおばあちゃんとお母さんは素晴らしい。三郎さんと晶ちゃんの話はもう終わってしまうのかな。これは悲しい。2020/04/22
眠る山猫屋
23
なかなか猟奇的なのに、ほのぼのもするという奇異な一冊(笑)。二匹の小天狗たちの由来なんて、可愛らしいやら可哀想やらおっかないやら。死んだ娘を背負って追ってくる死霊、実に日本的な情緒があっておぞましい。それなのに小天狗さんたちと律やお母さんとの絆、じんわりくる物語でした。お祖父ちゃんの不運と幸せ、無自覚に周りを掻き乱す人、抜け落ちた魂の変遷などなど、今からじっくり再読する日が楽しみな物語ばかり。2017/09/28
いおむ
16
尾白と尾黒の過去話もあり、お祖父さんとお祖母様の話もあり、面白かった。しかーし!司ちゃんの出番が少な過ぎ!2024/02/17