出版社内容情報
江戸詰めの貞次郎は国元にいる妻の不義密通を知り、妻と男を成敗するため国元に向かうが……「女敵討」、夕星屋のご隠居・邦太郎が体が動かなくなった妻を特製の車椅子に乗せ、桜の見物に回る「西應寺の桜」。夫婦の情愛を描いた傑作6編。
内容説明
幕末の混乱の中、江戸詰めの貞次郎は国元にいる妻の不義密通を知る。妻と男を成敗するため国元に向かうが…「女敵討」、夕星屋のご隠居・邦太郎が体が動かなくなった妻を特製の車椅子に乗せ、桜の見物に回る「西應寺の桜」。武家と町人の夫婦の情愛を描いた傑作6編。
著者等紹介
大矢博子[オオヤヒロコ]
1964年大分県生まれ。書評家、文芸評論家
青山文平[アオヤマブンペイ]
1948年神奈川県生まれ。2016年『つまをめとらば』で直木賞を受賞
朝井まかて[アサイマカテ]
1959年大阪府生まれ。2014年『恋歌』で直木賞を受賞
浅田次郎[アサダジロウ]
1951年東京都生まれ。97年『鉄道員(ぽっぽや)』で直木賞を受賞
宇江佐真理[ウエザマリ]
1949年北海道生まれ。2001年『余寒の雪』で中山義秀文学賞受賞。15年逝去
藤沢周平[フジサワシュウヘイ]
1927年山形県生まれ。73年『暗殺の年輪』で直木賞を受賞。97年逝去
山本一力[ヤマモトイチリキ]
1948年高知県生まれ。2002年『あかね空』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
140
年末から小間切れ読書になりつつ新年最初の読了本。豪華ラインナップが連なる武家夫婦と町人夫婦アンソロジー6編は、既読もあったが面白く読んだ。中でも宇江佐さん『夫婦茶碗』藤沢さん『泣かない女』どちらもラストが好みだ。山本さんの老老介護を描いた『西應寺の桜』は経済的に余裕の有る夫婦だから··なんて隣で寛ぐ夫を眺めつつ、自分達夫婦の遠くない老後を想像してしまった次第(汗)2024/01/03
けやき
49
様々な夫婦模様を描いた時代小説のアンソロジー。浅田次郎の「女敵討」と藤沢周平の「泣かない女」は既読済み。青山文平の「乳付」が特によかった。2023/11/16
baba
34
豪華な執筆陣のアンソロジー。武家物、市井物それぞれの夫婦の有様が短編ながらずっしりと伝わってくる。特に青山氏、朝井氏、浅田氏、宇江佐氏は既読であるはずなのに、新鮮に浸ることが出来て、もう一度改めて読んでみたい。2024/03/10
あかは
30
読んだことのない作家さんもいて、こういう短編集もいい感じです。はまりそう。1番響いたのはやはり藤沢周平さんですね。解説で引き算の文章とありましたが、まさにその通り!浅田次郎さんのはちょっと変わった始まりと終わりでした。2024/04/14
ひさか
23
オール讀物2012年9月号青山文平乳付、小説現代2017年9月号朝井まかて蓬莱、中央公論2005年9月号浅田次郎女敵討、小説NON2011年11月号宇江佐真理夫婦茶碗、問題小説1979年3月号藤沢周平泣かない女、小説新潮2008年3月号山本一力西應寺の桜、の夫婦をテーマにした6編のアンソロジー。既読だが、並べて読むと、いっそう感慨深い。大矢さんの解説に各話の魅力が、うまく語られている。蓬莱のミステリアスさと乳付の家族の会話が興味深く面白い。2024/02/19