出版社内容情報
赤穂浪士の討ち入りで夫の吉良上野介を失った妻の苦悩「富子すきすき」、古着屋で売られていた奇抜な帯を手にした娘たちの選択「藤太の帯」、兄と慕っていた幼なじみへの恋が成就しなかった娘の行く先「堀留の家」など短編6編を収録。
内容説明
古着屋で売られていた奇妙な柄の帯を身に着けた娘たちの運命「藤太の帯」、赤穂浪士の討ち入りで吉良上野介を失った妻・富子の苦悩「富子すきすき」、材木問屋の坊ちゃんと辰巳芸者の楽しくほろ苦い日々「面影ほろり」など珠玉の6編を収録。
著者等紹介
宇江佐真理[ウエザマリ]
1949年北海道生まれ。作家。95年に「幻の声」でオール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で吉川英治文学新人賞、01年に『余寒の雪』で中山義秀文学賞を受賞。15年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミツツ
23
現代だってもちろん面白い話しは尽きないのに、なぜ時代小説に魅せられるのか?例えば、花魁や辰巳芸者、吉良上野介の妻に市井の娘や大盗賊の娘の生き様などから目が離せないからか。必ずしも幸せとはいえない人生であっても、心惹かれるものがあるからか。なぜだかわからないから、私はまた時代小説を手に取る。2022/11/01
Y.yamabuki
22
表題作の「富子すきすき」は武家を、他の五編は市井の人々を描いた短編集。この五編、淡々としているのに何故か不思議と心に残る。丸ごとハッピーや単なる良い話ではない。けれど、そこには作者の優しさが有り、またそれに引き摺られない潔さもある。その絶妙感が好きだ。しんみりしたほろ苦さを残す話が心地好い。2022/10/06
えりまき
21
2022(146)お久しぶりの宇江佐さん。しっとしとした短編集。「藤太の帯」と「柘榴の家」はちょっとリンク。吉良上野介は赤穂浪士の討ち入り事件でしか知らないけど、奥さんに「富子、すきすき」と囁く「2人の秘密」に人間味を感じてほっこり。「花魁とは『おいらの姉さん』を縮まった言葉」とは、知りませんでした。梶よう子さんの宇江佐さんへの愛に溢れた解説も素敵です。 2022/06/18
犬養三千代
9
切なさが身に染みる一冊。「藤太の帯」「堀留の家」「富子すきすき」「おいらの姉さん」「面影ほろり」「びんしけん」どれも江戸の馨りが漂う。赤穂の討ち入りで生活が変わってしまった吉良の奥方富子を描いた作品が秀逸。理不尽だ。 近いうちにもう一度読もう。2022/11/23
jima
6
短編6作品。2024/03/15