出版社内容情報
読むことと、書くことにあけくれて暮らす著者の日常は、現実を生きている時間より、物語のなかにいつ時間のほうがはるかにながい。散歩も、旅も、お風呂も、その延長のなかにある。掌編小説と 全身で拾い集めた世界じゅうの瑣末なものものについて書かれた文章たち。著者の創作と生活の「秘密」がひもとかれるスリリングな散文集。「すばらしい本を一冊読んだときの、いま自分のいる世界まで読む前とは違ってしまう力、架空の世界から現実にはみだしてくる、あの途方もない力。それについて、つまり私はこの散文集のなかで、言いたかったのだと思います」(あとがきより)目次【I】 書くこと無 題秘 密「飛ぶ教室」のことパンのこと食器棚の奥で二〇〇九年の日記地味な小説運ばれてくるもの透明な箱、ひとりだけでする冒険神秘のヴェール【II】 読むこと読書ノート模索と判断 ―― 私の人生を変えたこの小説自 由マーガレット・ワイズ・ブラウンのこと奇妙な場所川上さんへの手紙絵本の力あのひそやかな気配 本たちのつくる陰翳の深さ辞書とおなじもの ―― 「ちいさなうさこちゃん」のこと好きなものここに居続けること代官山の思い出ゆうべのこと最近読んだ本二十年目の近況報告 ―― 二〇〇八年秋のことこの三冊こことそこ荒井良二さんへの手紙窓、ロアンの中庭物語のなかとそと ―― 文学的近況【III】 その周辺散歩がついてくる上海の雨外で遊ぶ所有する街でかけて行く街街なかの友人弦楽器の音のこ子供の周辺(一)子供の周辺(二)遠慮をしない礼儀かわいそうにという言葉豆のすじ ―― 作家の口福 その一インド料理屋さん ―― 作家の口福 その二お粥 ―― 作家の口福 その三ほめ言葉 ―― 作家の口福 その四旅のための靴蕎麦屋奇譚エペルネーのチューリップ ―― 春近所の花 ―― 夏なでしこのこと ―― 秋雪の荒野とヒース ―― 冬「気」のこと彼女はいま全力であとがき解説小説家のなかとそと 町屋良平
内容説明
読むことと、書くことにあけくれて暮らす著者の日常は、現実を生きている時間より、物語のなかにいる時間のほうがはるかにながい。散歩も、旅も、お風呂も、その延長のなかにある。創作と生活の「秘密」がひもとかれるスリリングな散文集。
目次
1 書くこと(無題;秘密;「飛ぶ教室」のこと;パンのこと;食器棚の奥で ほか)
2 読むこと(読書ノート;模索と判断―私の人生を変えたこの小説;自由;マーガレット・ワイズ・ブラウンのこと;奇妙な場所 ほか)
3 その周辺(散歩がついてくる;上海の雨;外で遊ぶ;所有する街;でかけて行く街 ほか)
著者等紹介
江國香織[エクニカオリ]
1964年東京都生まれ。87年「草之丞の話」で「小さな童話」大賞、89年「409ラドクリフ」でフェミナ賞、92年『きらきらひかる』で紫式部文学賞、2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、04年『号泣する準備はできていた』で直木賞、07年『がらくた』で島清恋愛文学賞、10年『真昼なのに昏い部屋』で中央公論文芸賞、12年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、15年『ヤモリ、カエル、シジミチョウ』で谷崎潤一郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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