出版社内容情報
日本を代表する総合電機メーカー・芝河電機に勤める瀬川大輔は、芝河の基幹部門PCカンパニーが危機的状況であることを知る。やがて芝河が買収した米国子会社の原発企業ECCの巨額損失が発覚、ついに芝河は債務超過に陥り──。
内容説明
日本を代表する総合電機メーカー・芝河電機に勤める瀬川大輔は内部告発をきっかけに、芝河の基幹部門PCカンパニーが危機的状況であることを知る。やがて芝河が買収した米国子会社の原発企業EECの巨額損失が発覚、ついに芝河は債務超過に陥り―。
著者等紹介
江上剛[エガミゴウ]
1954年兵庫県生まれ。作家。早稲田大学政経学部卒。77年旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。97年第一勧銀総会屋利益供与事件で広報部次長として混乱の収拾に尽力。2003年退社。02年『非情銀行』で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
PEN-F
42
東芝の粉飾決算のお話。不正操作を繰り返し実体のない見せかけの利益を計上し続けた挙句、積もりに積もった偽利益は数千億円にまで。トップ主導だと歯止めが効かない。2023/05/14
terukravitz
7
★★★☆☆2021/05/05
dragon
2
東芝をモデルにしたコーポレートガバナンスの問題を取り上げた内容。頭が腐れば組織は腐るという典型。トップが聞きたいことしか聞かない、業績向上は努力で可能と信じる、監査に対して真摯に向き合わない、こんなことが起これば会社は消滅する。2022/07/03
はなちゃん
2
東芝の粉飾決済をモデルにした小説だそう。専門用語も解説してくれて、なんとなく理解できた。こんな巨額の不正をどうやって隠し続けることができたのか、本当不思議。部下の人たちは本当かわいそう。2022/05/20
べんぞう
2
東芝の粉飾決算を題材にした小説らしく、粉飾の手口が生々しい。それに「チャレンジ」という一見ポジティブなワードも、罪の意識が紛れる隠語もリアルで嫌らしい。 成功体験を引きずり間違いを否定できずに、不正が蔓延していく様は、病に侵される体のようであり、病巣を如何に小さいときに摘んでおくことが肝心。そのためには瀬川のように、おかしいことをおかしいと言える風土が大切だということを痛い程学んだ。これは良著だ。2021/09/27