出版社内容情報
寒村で暮らすエマのもとにベネッサが下宿人としてやってきた。ベネッサは3歳で貴族に見初められたエマを研究したいという……。
内容説明
貴族ヴラドルフ公に見初められ花嫁になることが決まっている娘エマ。下宿人の陽気なベネッサに励まされながらも刻一刻と彼女の運命の日は近づいてくる。エマの恩恵を受ける村人、巨人の用心棒、エマを守るべく雇われた戦闘士たち、そしてD―。それぞれの欲望と思惑が交差するグスマン村での死闘の行方は。
著者等紹介
菊地秀行[キクチヒデユキ]
1949年、千葉県に生まれる。青山学院大学卒業。1982年『魔界都市“新宿”』でデビュー。日本推理作家協会会員。SF・ホラー映画愛好家としても有名である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
53
ちょっと良いじゃな~い?神祖さま関連が薄い方が内容が濃く感じる。今回は貴族(ヴラドルフ公)に見初められたエマの物語。生まれた時から花嫁として貴族の庇護下にあるエマ。エマを狙う荒くれ者たち、エマを護るべく雇われた戦闘士三兄弟、エマを気にかけるベネッサ。仄かに百合要素を含みつつ、今回はDの活躍は控えめ。魅惑オーラも控えめ。ヴラドルフのスリーマンセル使徒✕2も能力控えめ。みんな控えめなのに、ストーリーは良いという不思議さ。前世の定めに翻弄された人々の群像劇になっている。ベネッサとエマのその後が切ない。2023/06/02
おかむー
46
シリーズ35作目は「貴族に見染められた花嫁を守るために繰り広げられる死闘」と要約すると吸血鬼モノの原点回帰に見えなくもないが、“Ⅾ”らしさはどこへいったのやらといった感触の物語。『もっとがんばりましょう』。もはやどんな敵のどんな妖技を喰らおうとまるで危機感のないⅮは“キャラクター”というよりは地震とか雷といった“現象”レベルの存在なので、そんなDの人情味を差し挟むエピソードこそがシリーズの味なのだが、今作では最初にヒロインに挨拶したらあとはラストの対決まで別行動という味気なさ。ガッカリだなぁ。2019/07/02
しゃお
19
今回はDその人の活躍よりも、Dが相手しようとする貴族と闘う事になる用心棒たちやその守護者についての物語といった感じで、そういった部分の描き方は優しさと切なさの両方が描かれていて良かったですね。神祖の思惑は相変わらず不明のままなのはいいとして、Dの戦闘シーンなどは説明不足でよく分からない描写も相変わらずなのは愛嬌か(笑)。2019/06/17
Hugo Grove
8
読了2020/03/20
中島直人
6
とうとう35作目。著者の手抜き感が巻ごとに増してきている気がしてならないが、習慣として買ってしまう。2019/06/26