出版社内容情報
【文学/日本文学小説】井の頭公園で、胸に1/TTXと刻印されたパントマイマーの遺体が発見された。武蔵野署の白鷹雨音は捜査を進めるうち、数年前に未解決となった幼女誘拐殺害事件に辿り着くが……。「このミス」大賞受賞作家による、書き下ろし警察小説。
梶永正史[カジナガマサシ]
内容説明
白昼の井の頭公園に放置されたピエロ姿の遺体。発見直前まで息があったとされる被害者の頬には謎の英数字が…。独自の視点から事件解決を図るため“鷹の目”の異名を持つ組織犯罪対策課の白鷹雨音が捜査の過程で目にしたのは、常に自らを責め苛む過去の凄惨な事件だった!
著者等紹介
梶永正史[カジナガマサシ]
1969年山口県生まれ。2013年、第12回「このミステリーがすごい!大賞」を受賞。13年、『警視庁捜査二課・郷間彩香 特命指揮官』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Sato19601027
90
悲しい動機に涙。刑事の人間性が垣間見れ、謎の設定や情報のタイミングなどと合わせて、気持ちをグッと掴まれた。武蔵野署の女性刑事の捜査記録。井の頭公園内で見つかったピエロの死体、その顔面に書かれていた1/TTXの文字を見た白鷹雨音は、いち早く、連続殺人の疑いを抱く。犯人の行動心理を読むことで真実に近づくのが特技の雨音であったが、この事件の犯人像が見えてこない。そして、第二、第三の死体が発見される・・・。捜査中に本庁捜査二課の協力を求める際に、郷間彩香警部補を想起させる場面にニヤリとしたことを付け加えておく。2025/03/17
papako
65
タイトルの組織犯罪対策課って?鷹の目を持つ女性刑事と元カレ、ストーカー気味の部下が連続テトロドトキシン殺人事件を追う。2年前の誘拐との繋がりなどなかなか凝っていた。しかし、ただ元カレに引っかかっていたのかと思ったら、疑っていたんだ!兎くんは謎だった〜。シリーズ化されたら雰囲気変わるかもね。2020/04/30
達ちゃん
47
郷間シリーズも好きですが、この話もすごく面白かったです。三浦さんには気づきませんでしたが・・・。微妙にリンクしながらシリーズ化されると面白いかもしれませんね。2017/12/18
momi
43
このミス大賞受賞・郷間彩香シリーズでデビューをした著者の作品!この警察小説も面白かった!!哀しい殺人事件です…。フグ毒での連続殺人事件!何故…犯人は人混みで殺したのか!?鷹の目の異名をもつ女刑事「白鷹雨音」と新米刑事ウサギこと「兎束晋作」コンビが事件に挑みます!が…今回コンビを組まされたのは元彼の刑事〜!こう言う時…同じ職場ってやりにくいな〜。隠されていた真相も最悪…だね。ウサギくんには笑えキャラがたつ登場人物たち!ぜひ、シリーズ化希望!!2017/04/04
モトラッド@積読本消化中
37
★★★真木よう子主演のドラマを、先に観てからの読了。文字が大きく頁数も少ないので、あっという間に読めてしまった。被害者の悲しみ、恨み、各々の心情表現や組織内の軋轢、刑事同士のからみなど、どれもがあっさりし過ぎで残念。ドラマは、その辺を、脚本や俳優の演技で補っており、見応えがあった。余談だが、十数年住んでいた吉祥寺が舞台で、とても懐かしい読後となった。2021/04/19