内容説明
若手記者が突然、国民作家の担当にバッテキされた!恐る恐る同行した取材旅行で鶏肉や蟹が食べられない偏食に戸惑い、流氷のアザラシに喜ぶ無邪気な素顔を知る―。今なお不動の人気を誇る司馬遼太郎の在りし日の姿が、担当記者の手によってよみがえる。
目次
旅する前に
落語と東京―本所深川散歩・神田界隈
漱石への思い―本郷界隈
ゴム長靴の雄姿―オホーツク街道
アメリカのなかの「辺境」―ニューヨーク散歩
失われた故郷―台湾紀行
津軽と南部の詩人たち―北のまほろば
「悪」とは何か―三浦半島記
未完の旅―濃尾参州記
著者等紹介
村井重俊[ムライシゲトシ]
1958年北海道生まれ。週刊朝日編集委員。早稲田大学法学部卒。83年、朝日新聞社に入社。89年より週刊朝日で連載されていた「街道をゆく」の担当となり、96年まで務める。その後、北海道報道センターを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤瀬こうたろー
23
題名のとおり、週間朝日の連載企画だった「街道をゆく」の5代目となる編集者さんが書いた本。さすが、司馬遼太郎さんの担当だっただけあって読みやすいし、エピソードの織り交ぜ方が絶妙!お話上手なのは予想通りだけど、それ以上に人たらしな司馬先生の魅力がよく分かる話が満載。そうか、こんな茶目っ気がある人だったのかあー。私的には司馬先生が意外な作家を評価してたり、意外な芸能人の番組を毎日視聴してることにビックリ笑 最後の突然の別れのシーンは胸が痛くなるなあー。司馬先生の作品が好きな方には必読の書です。2024/08/29
金吾
22
作品からはわからない司馬さんの日常がわかり良かったです。ラストは感情移入してしまい悲しくなりました。2023/06/20
Kaz
16
記憶が曖昧だが、司馬遼太郎の「街道をゆく」の通読を開始した。司馬さん独特の感性を通した、情景描写に魅了されて、未踏の地でもどことなく懐かしさを感じるのは私だけではない気がする。本書は「街道をゆく」担当者による回想録で、司馬さん自身が「街道をゆく」を作るプロセスがリアルに伝わってくる。著者を始め、みどり夫人、安野画伯、などたびの同行者のエピソードも面白い。中でも司馬さんを中心とした夜の語らいは、相当なものであったらしく、酒に酔うのではなく話に酔ったのだそうだ。司馬さんは、座談の名手でもあったらしい。2018/01/30
ランラン
8
司馬さんの担当者として随行している著者の後日談は司馬さんの晩年の様子がうかがわれ、改めて司馬さんの魅力に触れることができた。2023/05/23
CTC
8
11年朝日文庫、初出は05年からの朝日新聞連載。本書は『街道をゆく』の、71年から25年続いた週刊朝日連載において、89年より司馬さんの死=96年2月まで担当編集者を務めた著者による回想。著者は担当になるまで“街道”を読んだ事がなかったという。私は司馬作品に永く親しんでシリーズも通読した上だから、かなり厳しい目で本書を読んだ訳だが…著者は司馬さんの死後も講演録や“司馬遼太郎の手紙”などの連載を手掛け、文庫刊行時点まで司馬関連コーナーを担当し続けている。商売なんだろうけど素晴らしい仕事としかいいようがない。2019/05/07
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