内容説明
老中田沼意次が牛耳る江戸時代。学問も剣術もふるわない旗本の三男・臼井与三郎(早雪)は、ある時「算学」に魅せられ放浪の旅に出る。算学道場破りをしながら和算の秘奥義「鳳積術」を極めんとするが…。白熱勝負あり酒あり女ありの算士の生涯を爽快に描く時代長編。
著者等紹介
金重明[キムチュンミョン]
1956年東京都生まれ。東京大学、大阪外国語大学朝鮮語学科中退。97年に『算学武芸帳』で第8回朝日新人文学賞受賞。2006年には『抗蒙の丘―三別抄耽羅戦記』で第30回歴史文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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コットン
69
penginpapaさんのオススメ本でテンポよく読み進められた。算学に魅せられた男たちの物語で、算学道場破りをして終板の名勝負へと導く所が最高の見せ場となっている。凡人にはこんな言葉が良い!⇒「天才の力をもってしてもたかだか時代を先取りすることしかできず、それも、凡人が一歩一歩積み重ねていくことによって乗り越えられてしまうのだからな。」数学的には序盤の逆行列が出てくる辺りがツボだったりした。2017/05/09
hazama
1
マイブーム和算関連の小説。ひょんなきっかけから遊歴算家になってしまった主人公の波乱万丈な人生が面白い。酒飲みなのは久留島義太とかモデルかな。ハイテンションで読みやすい解説の俳優・児玉清ってアタック25の人? ハンターチャンスの人?2011/02/11
ちゅるふ
1
いろいろ論考していた各曲線がどんなものか見てみたいものである。実際にあるのかな、「秘伝書」?2010/12/12