内容説明
マドリードに別れを告げ、リスボン特急に乗ってポルトガルに向かう。長旅のあいだ、さまざまな話題が展開される。若き日の伊藤博文と井上馨が幕末にポルトガル人に「変装」した話、筆者自身がポルトガル人に間違えられた話…。リスボンの酒場では民族歌謡ファドに聞きほれた。雄大な旅の終わりはサグレス岬。大航海時代の礎を築いたエンリケ航海王子を思う旅でもあった。大きな活字で装いも新たに、新装文庫版。
目次
マドリード周辺(悲惨のカスティーリャ;劇的な酔っぱらい;はるかな「征服」;超心理学;ヨーロッパの異端児;紙とスペイン;トレドの街灯の下;エル・エスコリアル宮)
ポルトガル・人と海(リスボン特急;ポルトガル人の顔;国境の駅;リスボンの駅;リスボン第一夜;テージョ川の公女;大航海時代序曲;モラエスなど;ファドの店で;サグレス岬へ;サグレスの小石)
著者等紹介
司馬遼太郎[シバリョウタロウ]
1923年、大阪府生まれ。大阪外事専門学校(現・大阪大学外国語学部)蒙古科卒業。60年、『梟の城』で直木賞受賞。75年、芸術院恩賜賞受賞。93年、文化勲章受章。96年、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
279
「南蛮の道」後編はスペイン、ポルトガル。ただし、スペインとはいってもカスティーリャ、ポルトガルもリスボンに限られるのだが。司馬遼太郎は、レコンキスタといったスペインに特有の歴史に思いを馳せながら、フェリーペ2世に執心し、エル・エスコリアルに向かう。美術史的にはあまり見どころのない町と宮殿である。司馬はそこにこそスペインを見るのである。そして、トレド。こちらはスペインの歴史と文化が凝縮された町だ。しかし、もはや「生きていない」と言う。たしかに、圧倒的なまでの文物に囲まれながら、トレドにはおよそ活気と⇒ 2026/02/04
Book & Travel
47
南蛮のみち続編。マドリード周辺から西へ進みリスボンへ。ただでさえ旅情をかきたてられる地域だが、歴史・風俗を絡めた上質な文章に、旅にいっそう引き込まれる。エスコリアル宮殿でフェリぺ2世を思う場面など、歴史上の人物の地位や当時の習俗の中に自分を置き、自分ならどういう思想、言動をするかと思索するところは、歴史作家の肝のようで興味深い。ポルトガルには、中世に取り残された斜陽の国というイメージがあり、旅人にはそこが魅力なのだろうが、司馬さんも惹かれている様子。この国は日本に初めて西洋文明をもたらした国なのだ~2017/05/20
たま
37
『『南蛮のみちⅠ』で、パリとバスクにザヴィエル、ロヨラ、それに20世紀のカンドウ神父の故地をたずねたあと、Ⅱではサン・セバスティアンから空路マドリードに移動する。スペインとポルトガルでも司馬さんの関心は16世紀日本との交流にあり、少年使節とフェリペ2世、エンリケ航海王子の旧跡を経巡っている。地形、気候、産物(紙、タイル、コルク)に眼を留め、白秋、杢太郎の南蛮趣味を、モラエスを語るなど、引き出しの多さに驚くばかり。伊藤博文と井上馨が幕府の目を盗むためマカオのポルトガル人に変装した逸話にはおかしかった。2022/01/19
Miyoshi Hirotaka
33
8世紀からのイスラム支配を先に脱したのはポルトガル。キリスト教による統一国家と「大陸の果つるところ、大海の始まるところ」という詩的地理感覚とイデオロギーが誕生。航路開拓、異教徒の履滅は正義の十字軍運動になった。16世紀には我国に到達、鉄砲を伝えた。この頃にはイエズス会を尖兵にスペインも追いついた。一方、動乱から安定への移行期だった我国は、秀吉、家康がカトリック勢力の野心に気づき、利用から禁教へと方針変更。鎖国は家光の代に完成。布教を棄却した新教国オランダを貿易相手にしたのは長期的で連続した意志決定の成果。2026/02/22
aponchan
23
司馬遼太郎氏作品乱読のうちの一冊。ザビエルをきっかけとした、ポルトガルへの紀行は、文面だけだと景観がイメージできないが、たまたま、テレビ番組で観たことがあり、頭の中で行った気分になれた。 引き続き、当シリーズを読んでいきたい。2023/10/10
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