朝日選書<br> 権力にゆがむ専門知―専門家はどう統制されてきたのか

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朝日選書
権力にゆがむ専門知―専門家はどう統制されてきたのか

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  • サイズ 46判/ページ数 249p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022631169
  • NDC分類 312.1
  • Cコード C0330

出版社内容情報

コロナ禍により、感染症対策をめぐる政治と専門家の関係がかつてないほど注目された。専門家(専門知)はいかなる思考と根拠のもとで政治に助言するのか。本書は、日本現代史を射程に、行政学の第一人者が考察する。1980年代の中曽根政権時代に「私的諮問機関」が濫設(らんせつ)された。法令に根拠をもたず要綱などで臨機応変に設置でき、政治権力にとっては使い勝手がよい。いまやそれは「有識者会議」「審議会」という言葉にかわり、第二次安倍政権以降、次々と設けられた。集団的自衛権を行使容認とする法体制を審議した安保法制懇談会をはじめ、教育再生実行会議、働き方改革実現会議、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議はその代表例である。政治・行政は、なぜ有識者(専門知)を取り込もうとするのか。期待するのは科学的助言か、政策を正当化するための世論動員か。政治と専門知のあり方について、占領期に遡り、GHQによる専門家の外部調達、吉田茂内閣で発足した経済安定本部、官庁エコノミストの活躍、旧財閥企業による原子力利用の調査研究をはじめとする原子力政策、池田勇人政権の国民所得倍増計画、財政学者・大内兵衛らによる社会保障制度審議会、「増税なき財政再建」を掲げた第二臨調での国鉄解体・分割民営化など「専門知の政治化」がパラレルに進行した1980年代から、介護保険、司法制度改革、学術会議会員任命拒否問題、新型コロナウイルス感染症対策といった最近の動向まで、特徴的なジャンルで考える。

内容説明

1980年代の中曽根政権時代に「私的諮問機関」が濫設された。法令に根拠をもたず要綱などで臨機応変に設置でき、政治権力にとっては使い勝手がよい。いまや「有識者会議」「審議会」という言葉にかわり、第二次安倍政権以降次々と設けられた。安保法制懇談会、教育再生実行会議、働き方改革実現会議、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議はその代表例である。政治・行政はなぜ「専門知」を取り込もうとするのか。期待するのは科学的助言か、政策を正当化するための世論動員か。占領期に遡り、GHQによる専門知の外部調達、官庁エコノミストの活躍、旧財閥企業による原子力利用の調査研究をはじめとする原子力政策、第二臨調での国鉄解体などから、介護保険、司法制度改革、学術会議任命拒否問題、新型コロナウイルス感染症対策といった最近の動向まで、特徴的なジャンルで考える。

目次

序章 学術会議任命拒否問題と専門知
1章 政権・官僚機構と専門知―敗戦後、専門知をどのように調達したのか
2章 囲い込まれる専門知―第二臨調・国鉄解体・自民一党優位の政治戦略
3章 原子力ムラ―「規制の虜」になったのはだれか
4章 新型コロナウイルス感染症対策―専門知は政治と対峙しているか
5章 介護保険制度に同調した専門知―理論的考察の底の浅さ
6章 司法制度改革と専門知―「国民に開かれた司法」の顛末
終章 政治と専門知の責任をいかに確立するか

著者等紹介

新藤宗幸[シンドウムネユキ]
1946年、神奈川県生まれ。千葉大学名誉教授。中央大学大学院法学研究科修士課程修了。専攻は行政学。東京市政調査会研究員、立教大学法学部教授、千葉大学法経学部教授、後藤・安田記念東京都市研究所理事長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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6
行政学者による、政治と専門知の関係を問う本。勉強になった。 「政権が規制緩和といえば、積極的に進めようとする専門知があらわれる。それによって一層の困窮に堕ちる人間など皆無のようであり、想定すらされない。…あれほどの過酷事故でありながら「ほとぼりが冷めた」とでも考えるのか、原発の再稼働、老朽原発の運転延長、SMR(小型モジュール)の開発だ、となる。ここには「誰のための学問・研究か」は、ほとんど意識されていないといわねばならない。」(あとがきより)2025/02/09

awe

3
前作『新自由主義にゆがむ公共政策』に比べ読み応えがなくがっかりだった。総論としては、現在の官邸主導の中、未だかつてないほど政治と専門知の協働関係が目立つようになっているが、そうした状況は政治が都合良く専門知を利用することに繋がりかねない。だからこそ、専門知は政治との適切な距離を保ち、自律的に助言を行うべきだという、よく聞く主張であり、その通りですねとしか言いようがない。とはいえ、各論においては興味深い点が多くあったのでいくつか記録しておく。まず1章では敗戦後にいかに日本の官僚制がしぶとく生き残っていったの2022/01/23

Go Extreme

1
学術会議任命拒否問題と専門知: 権力による専門知の統制 人文・社会科学系分野の再編指示 政治・行政と専門知の根源的問題 政権・官僚機構と専門知 囲い込まれる専門知―第二臨調・国鉄解体・自民一党優位の政治戦略 原子力ムラ―規制の虜になったのはだれか 新型コロナウイルス感染症対策―専門知は政治と対峙しているか 介護保険制度に同調した専門知―理論的考察の底の浅さ 政治と専門知の責任をいかに確率するか 司法制度改革と専門知―「国民に開かれた司法」の顛末 政治と専門知の責任をいかに確立するか2022/01/20

mokohei

0
問題点と、問題の原因とされることと、解決策の整合性が全然取れていない。多分、必要以上に問題点を大きくしてしまっているのが原因。日本語ではこれを「難癖つけすぎてる」とも言う。2023/02/22

さな

0
放送大学「行政学講説」の参考文献として載っており、私自身は研究者ではないが技術者として専門知によって職務遂行しているため通読。 コロナ、原発等、専門知が本来は政権の誤りをただすための存在であるべきところ、政権に忖度する存在となっていることについて、怒気を孕んだ筆致が続く。 最終章「科学者に求められるのは、人権、福祉、公正、公平といった普遍的価値に照らして現実の構造を分析し、問題点を発見していくことであろう」との指摘は重い。2025/01/26

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