出版社内容情報
身体は人の感情や知性をつくりだしている。合気道家で医師の著者が解剖学にみる身体観の変化、身体知性でオープンダイアローグやべてるの家までを読み解く新たな「からだ」の話。内田樹氏との対談も収録。
内容説明
武道家で医師の著者による、刺激に満ちた身体論!身体知性が人の感情と判断を担っている。フーコーの『臨床医学の誕生』や肉眼解剖学をもとに、西洋医学の言葉による身体の分析的追求の特徴を読み解く。しかし現実の臨床現場では、分析だけでは太刀打ちできない短時間で合理的な判断が必要だ。このとき活躍するのが身体知性。救命救急医のクロスケリーは医師の感情変化が誤診へとつながると指摘し、神経生理学者のダマシオは「ソマティック・マーカー仮説」で人間の判断に影響を与える感情の形成と身体の関係をたどる。また武道における東洋的な身体観と鍛錬は、人間の判断において重要だ。天才チェスプレーヤーが出会った太極拳、精神疾患の新しい治療法「オープンダイアローグ」、北海道浦河町の「べてるの家」を身体知性から分析するとどうなるのか。合気道家で思想家の内田樹氏との対談「武道と医学と身体をむすぶ」を収録。
目次
第1章 西洋医学が身体を取り扱うことば
第2章 肉眼解剖学に見る西洋医学の身体観の変化
第3章 「医師の身体」が西洋医学の分析の隙間を補完している
第4章 感情は身体によって作られている―ダマシオのソマティック・マーカー仮説
第5章 身体知性1 統合的な身体機能
第6章 身体知性2 身体を通して感情を整える
第7章 身体知性で読み解く「オープンダイアローグ」と「べてるの家」
対談 武道と医学と身体をむすぶ(内田樹×佐藤友亮)
著者等紹介
佐藤友亮[サトウユウスケ]
1971年盛岡市生まれ。医学博士、日本内科学会認定内科医、血液専門医。1997年岩手医科大学医学部卒業。初期研修後、血液内科(貧血や血液がんを診る内科)の診療に従事するも、白血病の治療成績に大きな困難を感じ、2001年に大阪大学大学院医学系研究科入学。大学院修了後、阪大病院の血液・腫瘍内科で、血液学の臨床と研究を行う。2012年より神戸松蔭女子学院大学准教授。2002年に、東洋的身体運用に興味を持ち、神戸女学院大学合気道会(内田樹師範)に入会。2017年現在、合気道凱風館塾頭(会員代表)として道場運営に携わる。公益財団法人合気会四段。神戸松蔭女子学院大学合気道部顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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