朝日選書
巨匠 狩野探幽の誕生―江戸初期、将軍も天皇も愛した画家の才能と境遇

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  • サイズ B6判/ページ数 273,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022630254
  • NDC分類 721.4
  • Cコード C0323

出版社内容情報

【歴史地理/伝記】家康以下、徳川4将軍の愛顧をうけ、傑出した画技で見るものをほれぼれとさせる絵を作り続けて画壇に君臨したカリスマ絵師。一門を率いての大規模な障壁画制作、他派との比較、有力大名らとの交流など、江戸初期の文化相を描き出す。

内容説明

17世紀の画壇を率いた巨匠、狩野探幽。名門画家の家に生まれ、天才少年ともてはやされ、徳川家康以下四将軍の御用をつとめ、後水尾天皇はじめ宮廷人に愛され、亡くなるまで精力的な活動を続けた。淡い墨や色がモチーフの微妙なニュアンスを描き出し、白い余白がモチーフを包む大気となって絵の外へと続く。探幽は時代が求める「新しい絵」を提供した。その画業は同時代の政治や文化と密着して展開していた。他の画家の作品と何が違うのか。将軍、天皇以下、大物政治家などパトロンや文化人とどのように交流したのか。いかにして工房をまとめ、組織の長として大規模な画事に取り組んだのか。探幽が巨匠となり得た秘密を、言葉を尽くし、図版を駆使して解き明かす。

目次

第1章 生涯―五つのターニングポイント(誕生から十六才で徳川幕府御用絵師となるまで;十六才から三十四才で探幽斎号を名のり始める前まで;三十四才から四十九才の尚信死没まで;四十九才から六十一才で法印となるまで;六十一才から七十三才の死没まで)
第2章 画技―比べて分かる探幽画の魅力 探幽はどのように天才なのか(探幽様式の形成;狩野山雪―探幽と境遇の異なる京狩野の当主;狩野尚信、安信―探幽とは異なる個性、様式を備えた二人の兄弟;安信様式;次世代の画家たち―息子探信、探雪、甥時信・常信、養子益信、弟子久隅守景)
第3章 社交―画業の充実と社会的栄達をはかる 画家にとっての社交(大名稲葉家=パトロン;大徳寺僧江月宗玩=教導者;御用儒学者林家=技官仲間)
第4章 組織の長―制作体制と一門の実態 巨匠と工房(多作の実態;探幽一門;工房制作;二つの屋敷)

著者等紹介

門脇むつみ[カドワキムツミ]
1970年兵庫県生まれ。専門は日本近世絵画史。東京大学大学院人文社会系研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学、東京大学)。大学教員を経て美術史家(神戸女学院大学等兼任講師)。著書に『寛永文化の肖像画』(勉誠出版・第14回國華奨励賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

umeko

14
探幽の作品はもちろん、どんな人物であったかまで幅広く読み解く。画家としての才能はもちろん、営業活動にもぬかりがなかったあたりが面白い。等伯への対抗心や、狩野派の中での立ち位置・評価など、興味深い内容だった。2017/05/11

タムタム

1
誰しも見たことが1度はあるであろう狩野派の絵。日本画自体知らないもので、なかなか読み進まなかったものの 絵画の鑑賞にも様々な知識が必要だと痛感。京都で春にある展覧会がより興味深いものになった。もう少し時間をかけて読みたかったが、返却間際にあわてて読み始めた自分を恨むしかない(笑)2015/01/20

ほしいもアボカド

0
美しい余白=静寂の旋律     実は・・・尚信が好み。2015/01/26

はちめ

0
専門家の有難さを感じる一冊。巨匠ではあるがあまり馴染みのない探幽についてだけではなく、当時の絵画制作システムも興味深い。2014/10/26

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