内容説明
なぜ差別はなくならないのか?誰もが一度は抱く問いに「自由主義」と「民主主義」の矛盾から切り込む。差別を生み出す政治的・経済的・社会的背景に迫る、多様性の時代の必読書。文庫化に際し、大幅な修正を施して新たに「道徳的にも弱い私たち」も加筆。
目次
まえがき みんなが差別を批判できる時代 アイデンティティからシティズンシップへ
第一章 ポリティカル・コレクトネスの由来
第二章 日本のポリコレ批判
第三章 ハラスメントの論理
第四章 道徳としての差別
第五章 合理的な差別と統治功利主義
第六章 差別は意図的なものか
第七章 天皇制の道徳について
あとがき ポリティカル・コレクトネスの汚名を肯定すること、ふたたび
増補 道徳的にも弱い私たち 文庫版あとがきに代えて
著者等紹介
綿野恵太[ワタノケイタ]
1988年大阪府生まれ。出版社勤務を経て文筆業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
sucksuckhello
2
アイデンティティとシティズンシップという対立軸はあまりにも強力で明快。なぜリベラルは負けるのかと言う話は様々な書籍や文章で読んできたがこの本がいちばん網羅的で納得感があったように思う。普通の人(大衆)の倫理観や資質が問題なのではなく、人類が遺伝的に持っている倫理観の脆弱性が差別を生んでいる。 故・小田嶋隆がTwitterで書名だけみて罵っていたことを記憶しているが、キチガイ右翼国家やジェノサイドを黙認する偽善的なリベラル国家が跋扈する世の中において指針になるのはこちらの本だと思う。2026/06/18
辻本 敏久
2
PCと聞けばパソコンしか想像できなかった。いつ何時自分も差別する側になりうる場合がある。その時、自分自身で気づくことが出来るのか。2026/04/01
tsumahiro
0
近年流行りのポリコレと、ヘイトスピーチや右派系ポピュリズムの台頭への考察をベースに、差別をめぐるアイデンティティとシチズンシップの対立、自由主義と民主主義が並立する矛盾、道徳の二面性について丁寧に分析されていました。読んで思ったのは、人間が言語で思考する社会性動物である限り、差別は根絶できないということでした。人種や性別を超越し仮に地球上でアイデンティティが統合されたとしても、代わって優生思想が台頭するような気がします。社会が単一・一枚岩になれない以上、社会間の対立や内集団バイアスの克服は不可能に近い。2026/04/10
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