朝日文庫
漂うままに島に着き

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  • サイズ 文庫判/ページ数 296p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022619754
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

出版社内容情報

乳がんになり、離婚した。狭い家が嫌になり、東京を捨てることにした。家探しや、引っ越しの喧騒、それを終えてからの折々の出来事をつづった地方移住の顛末記。講談社エッセイ賞を受賞した『身体のいいなり』『捨てる女』に連なる傑作エッセイ。

内容説明

乳癌治療の果て離婚をし、一人暮らしを始めた著者。しかし、東京の狭いマンション暮らしが我慢できなくなり、地方移住を検討し始める。実際に決断するまでの心境の変化や、家探し、香川県の小豆島に引っ越しを終えてからの折々の出来事をつづった地方移住の顛末記。

目次

ムリかも、東京。
船も島も港も多すぎて。混迷の高松港を経て小豆島上陸
そして海が見える空き家巡礼の旅がいつのまにか始まっていた
入居を申し込んでみたものの…
空き家巡礼、ふたたび
いまやおもしろいことは、都市も地方も関係なく起きている
決め手は、月と海と暖かさと収納
引っ越し見積もりから見える見られる?移住事情
軽自動車とデロリアン 車選びは切なくて
さらば、東京。いよいよ引っ越し
流れ流れて流された(!)家に到着
ネバーエンディング家の整備
一年住んで、わかってきたこと
飲んで食らうは、島の幸
不便で気楽な古家借り暮らし
ご近所さんとのお付き合い
島に暮らせど、お洒落は死なず?
高松は近いか遠いか
東京でなければ、手に入らないもの
つかずはなれずは可能か、人との距離
島暮らしが日常になる日

著者等紹介

内澤旬子[ウチザワジュンコ]
1967年神奈川県生まれ。文筆家、イラストレーター。2011年に『身体のいいなり』で講談社エッセイ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

401
内澤旬子さんの小豆島移住記。引っ越しにまつわるもろもろの苦労から、小豆島での暮らしまでを綴る。小豆島には行ったことがないのだが、想像していたよりもずっと大きな島のようだ。なにしろ港が7つもあるのだ。紆余曲折の末に彼女がたどり着いたのは、三都半島にある広い家。家賃は4万円。そこで山羊を飼って、ワナ猟に励み…当初は野菜造りなども試みるはずであったらしいのだが。他にも随分こうした島への移住者は多いらしい。しかも、女性の単身者が。この移住記を通して、現代のある種の世相、女性たちの生き方の模索を知ることができる。2020/10/24

ゆいまある

99
「着せる女」でサッパリした考え方にすっかりハマった。内澤さんの小豆島移住記。私も東京から香川(島じゃないけど)に移住してきて17年近く経つ。小豆島には行ったことがない。東京の家賃と渋滞を思い出すと香川は信じられない程暮らしやすい。内澤さんにとってはヤギを飼いやすく狩猟しやすい環境だったが、私にとっては育児しやすい土地だった。夕日に照らされた瀬戸内の島は夢みたいに綺麗だし、暖かくて作物もよく育つ。下水設備が先進国と思えない程足りないのと、うどんしかないけど仕事さえあればみんな引っ越してくればいい。2020/06/14

アキ

88
東京から小豆島に居を移した40代独身女性の顛末記。月と海と本棚のスペースがあればいいと小豆島の空き家バンクで物件探しして、理想的な貸家に住んでからお隣さんに昭和51年の台風で濁流に流された家の後だと知る。東京から移住した人たちと知り合い、島でヤギを飼い、ご近所さんから野菜や魚やお菓子をお裾分けされながら、嫌味も言われず過ごす様子に、時代も変わったもんだと思う。2019年文庫版のあとがきでストーカーから島内で移住されたようだが、これは高松市内の男性だと。瀬戸内は芸術家も増えてるし、移住にいい場所なのかなあ。2020/10/18

booklight

45
小豆島移住記。「身体のいいなり」は、突き放したようながん闘病記で、頭から体への思考の転換に立ち会ったように面白かった。今回は場所の転換。ざくざくと決めてとっとと引っ越したいところがなかなかそうもいかず、色々四苦八苦している。それでも移住してみると、恐れていた居住者からのいじめもなく、ヤギもかわいいし、月見はできるし、おすそ分けも多く、移住者コミュニティーもあり、快適なよう(でもその裏ではストーカーが…)。好みとしては細かいことは置いておいてもっとざくざく楽しんでほしいのだが、ディテールの話が多い印象。2021/03/07

あーびん

28
乳がん闘病後に離婚や断捨離などをへて、息苦しい東京の暮らしを捨ててついに小豆島に女一人で移住してしまった内澤さん。離島暮らしって憧れるけれど、仕事や交通手段や何よりも人間関係が大事!小豆島ではアーティスト・イン・レジデンスなる制度があり、若い女性の単身移住を受け入れやすい土壌があったのが幸いして楽しそうな島生活が語られている。文庫版あとがきで、その後のストーカー被害に言及した悲痛な近況を読むと本文との温度差にぎょっとした。やっぱり島生活大変そう...2019/10/13

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