朝日文庫<br> 「日本スゴイ」のディストピア―戦時下自画自賛の系譜

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朝日文庫
「日本スゴイ」のディストピア―戦時下自画自賛の系譜

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  • サイズ 文庫判/ページ数 276p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022619600
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0195

出版社内容情報

1925年から45年までに刊行された当時の「日本スゴイ」本から、「日本主義」「礼儀」「勤労」など、現代の「日本スゴイ本」にも氾濫するキーワードを選んで鑑賞。当時の書物から見えてくる世界とは? 日本って本当に「スゴイ」の?

内容説明

1931年の満州事変後に、大洪水を起こした「日本スゴイ本」。「魚を食うから強い」「腰が世界一強い」「世界の中心である」…現代も氾濫する「日本スゴイ」言説。そのご先祖様とも言える、戦前戦中の書物から見えてくる世界とは。日本って何がそんなに「スゴイ」の?

目次

第1章 「日本主義」大ブーム到来(「日本スゴイ」ネタの原型―「日の出」編集部編「世界に輝く日本の偉さはこゝだ」(「日の出」一九三三年(昭和八年)十月号付録、新潮社)
日本主義は全人類の奉ずべき道徳精神である―井乃香樹『日本主義宣言』(建設社、一九三四年(昭和九年)) ほか)
第2章 「よい日本人」のディストピア(「日本人に生まれてよかった」?―新居格編『支那在留日本人小学生綴方現地報告』(第一書房、一九三九年(昭和十四年))
学校教師を「ミニ天皇」化する「日本的学級経営」―永井煕『週間単位尋六の学級経営』(第一出版協会、一九三九年(昭和十四年)) ほか)
第3章 礼儀正しい日本人―国民礼法の時代(用便は便所にすべきで、庭や路傍にすべきではない―藤井本三郎『昭和国民作法書』(礼法普及会、一九二八年(昭和三年))
祝祭日には赤飯炊いて―大日本聯合婦人会/大日本聯合女子青年団編『女性非常時読本』(社会教育会館、一九三三年(昭和八年)) ほか)
第4章 よく働く日本人―勤労哲学の教化と錬成(兵士は戦場に死し、工員は職場に斃る―原了『決戦下の青少年』(協和書房、一九四三年(昭和十八年))
「日本的勤労観」の暗黒―難波田春夫『日本的勤労観―産業報国運動の理論的基礎付けの試み』(「産報理論叢書」第一巻、大日本産業報国会、一九四二年(昭和十七年)) ほか)
第5章 神がかり日本に敗戦はない(大東亜皇道楽園の出現―桑原玉市『大東亜皇化の理念』(「国防科学研究叢書」第一輯、富士書店、一九四二年(昭和十七年))
大東亜戦争の神話的意義―大串兎代夫『大東亜戦争の意義』(「教学叢書」第十二輯、文部省教学局、一九四二年(昭和十七年)) ほか)

著者等紹介

早川タダノリ[ハヤカワタダノリ]
1974年生まれ。編集者。戦前から現在までの「日本的なるもの」言説に関心を持ち、各種プロパガンダ資料蒐集を開始(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

rico

58
何これ。10ページほど読んだところで頭がクラクラしてきた。戦中戦前の「日本スゴイ」本(=トンデモ本)。どうしてそーなる?と突っ込むのもアホらしい妄言のオンパレード。挙句の果てに「国のために喜んで死ぬ」ことが教育の目的云々、ざけんじゃねー!! 一方、今の日本の中にもこういったものはしぶとく残ってる。他国をディスることとセットになった「日本スゴイ」ブーム。国の中枢にはこういう世界を理想とする人たちがいるようだし。著者の皮肉たっぷりの論評は冴えわたっているが、なんかもう全く笑えない。ディストピアはすぐそこだ。2019/09/23

サアベドラ

28
満州事変~終戦(敗戦)の頃に氾濫していた「日本スゴイ」系のトンデモ本を分野別に整理して解説(とツッコミ)を加えた本。2015年刊(文庫版は2019年刊)。著者はこの手の戦前・戦中プロパガンダ本の収集を趣味とする編集者。近年NHKや民放で毎週のように放送されている日本スゴイ系の番組の着想やロジックは、だいたいこの時代の大衆向け愛国主義的啓蒙書あたりにルーツがあるそうで、その歴史の深さに驚く。その手の番組群と同様、本書に出てくる本も控えめに言ってゴミのような本ばかりで、すぐに飽きて飛ばし読みになってしまった。2019/06/30

リキヨシオ

22
現在「世界が尊敬する日本人」「本当はスゴイ日本人」といった自画自賛のテレビや書籍で溢れている。しかし「日本スゴイ」の歴史は戦時下でも「日本人スゴイ」の書籍で溢れていて怖いのは戦争が起こる前の不安定な国内情勢の中すでに「日本スゴイ」が溢れていた事。他者を貶める事で自分が凄い。取られたり失くしたものを取り返す。とりあえず○○に一泡吹かす。自分が褒められたかの様な優越感や特別感。時代が変わっても戦前も戦後も「日本スゴイ」の構造は変わってない思う。そしあの国会議員の「戦争」発言を聞いてこの不安が現実となってきた…2019/05/13

さとうしん

21
「日本人に生まれてよかった」「××を食べるから日本はスゴイ」など、現在メデイアに氾濫する「日本スゴイ」言説が戦前戦中に既に存在しており、かつブラック労働を礼賛する、学校の掃除に精神性を見出すなどの現代日本の病巣が戦前戦中から受け継がれてきた日本の「伝統」「美徳」であることを示す。本書で示される戦前戦中の精神とのつながりを思うと、一部の人が好んで吹聴する戦後の連合国側による宣伝工作だの洗脳だのとは一体何だったのかという気がしてくる。2019/03/14

CCC

20
戦前の電波な日本礼賛言論の紹介という感じで最初は面白かった。でもパターンが限られているせいか途中から飽きてきた。紹介された本だけじゃなく、作者の語り口もそうだったのでなおさら。皮肉や当てこすりがしつこいのが逆に白けてしまう。しかしこういうのをわざわざ掘り起こしてくれる好事家は多くないので価値はあると思う。大日本帝国精神のリアルがわかる。2020/10/19

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