朝日文庫
名人―志ん生、そして志ん朝

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  • サイズ 文庫判/ページ数 265p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022619457
  • NDC分類 779.13
  • Cコード C0195

出版社内容情報

【文学/日本文学評論随筆その他】稀代の落語家、古今亭志ん生と志ん朝。2001年の志ん朝の急逝に衝撃を受けた著者が、この親子2代の軌跡を独自の視点で活写する。志ん朝との幻の対談も再録。志ん生ブーム再燃の今こそ知るべき、名人の心打つ伝説。《解説・森卓也》

小林信彦[コバヤシノブヒコ]
著・文・その他

内容説明

稀代の落語家、古今亭志ん生と志ん朝。2001年秋の志ん朝の急逝に衝撃を受けた著者が、この父子二代にわたる軌跡を独自の視点で活写する。東京落語の過去と現在を軸に、言葉、人、場所、そして時代の精神へオマージュを捧げる極上の人物論。志ん朝との幻の対談も再録。

目次

第1章 古今亭志ん朝(古今亭志ん朝の死;志ん朝日和(一九八一年~二〇〇一年))
第2章 古今亭志ん生(ある落語家の戦後;志ん生幻想)
第3章 志ん生、そして志ん朝(“路地”の消滅;志ん生、大ブレイク ほか)
第4章 落語・言葉・漱石(『落語鑑賞』と下町言葉;夏目漱石と落語)
笑わせの奥義は体調にあり―古今亭志ん朝×小林信彦

著者等紹介

小林信彦[コバヤシノブヒコ]
1932年東京都生まれ。早稲田大学文学部英文学科卒業。翻訳雑誌編集長から作家になる。2006年、第54回菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yamatoshiuruhashi

26
落語論、志ん生・志ん朝論、対談、江戸文化論。色々な側面で書かれた文章をまとめたものである。地方在住者にとって江戸言葉が分からねば落語は分からない、と言ったような表現は狭量だと思えるが、全体として落語をこよなく愛する人が(落語だけではない)幅広い素養を背景に実直に記した文章を読むのは心地よい。夏目漱石と落語、江戸言葉の繋がりなどこの著者でなければ切り込むことは難しかった領域ではないだろうか。2018/12/06

ジロリン

16
ワタシが一番好きな落語家は桂枝雀なのだが、志ん生も(なぜかウチにあった)ソノシートで聴いた「火炎太鼓」でお腹が捩れるほど笑わせてもらった。ウチに父が買った「なめくじ長屋」があり、それをチラチラ読んでいたということもある…なんて思ってたら本書の解説を亡父と交友があった森卓也氏が書いておられるのだな、これが。不思議な因縁さえ感じてしまう。たまたま立ち寄った本屋の平台でみつけ〈何となく〉手に取ったのも、そのせいか…ほとんど本書の内容に触れていないのは既読が多かったのと、志ん朝にそれほど熱い想いは抱いてないからw2018/10/27

qoop

10
ネイティブな江戸弁話者を身内にもつ著者にとって、自然な江戸弁を感じさせる最後の一人だった志ん朝の死は江戸落語の終焉という一大事でもあった。その喪失感を遡って志ん生の時代から解いていく。決して大所高所から語るわけではなくあくまで自分一個人の視点であることを伝えながらも、自分の中に集約された時代/場所の重みを読者にも意識させる著者。そうしたローカルな側面にこそ芸能、ひいては文化の本義が宿っているとすれば、それが失われた後の状況は形式主義的残滓に過ぎない…のかもしれない。境界を生きる世代の生々しい悲嘆の書。2018/10/25

タツ フカガワ

9
2007年に出た文庫の再刊。芸人の評伝では定評ある著者の、落語愛、志ん生・志ん朝愛に溢れる1冊(森卓也氏の解説も素晴らしい)。本書で知った志ん生版「寝床」のスラップスティックぶりや、徳川夢声とのナメクジ問答などは、あの少し甲高い志ん生の声に変換されて蘇り、思わず吹き出しました。2018/12/04

Iwata Kentaro

8
献本御礼。志ん生、志ん朝への愛に満ちたファンレター。評論とはいえまい。両方好きなので気持ちは分かる。同時に、愛に満ちているがゆえに評論としてはもう一つ。2020/11/06

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