出版社内容情報
皇后美智子さまの詠まれた歌を中心に天皇陛下の御製も交え、画家の安野光雅氏がその歌の素晴らしさを読み解く。『御所の花』の著者でもある画伯がスケッチした自然の草花のイラストが美しい。ベストセラーになった単行本の待望の文庫化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
52
【初夏の光の中に苗木植うるこの子供らに戦(いくさ)あらすな】本書を(元)アフロ記者に教えられ――。天皇・皇后両陛下の133首を安野光雅が絵を添え読み解いた書。2014年刊。【幸くませ真幸くませと人びとの声渡りゆく御幸の町に】<幸くませと、わたしたちは日の丸の旗を振る。聞いた話だが、両陛下は列車の窓際へ立ちっぱなしで、手を振るのを、おやめにならない>。【戦なき世を歩みきて思ひ出づかの難き日を生きし人々(天皇御製)】<終戦60年。先の戦争のおり、筆舌に尽くしがたい思いをした人々のことをおもって詠われた歌>。⇒2024/05/21
ジュンコ
17
四季折々に、人生の節目に、また天災に際して…その時々に詠まれた優しく温かい歌うた。安野光雅の花の挿画も、美智子さまの人柄を表しているよう。私と美智子さまは1対1億の関係だけれど、そのうちの1人であることを幸せに思う。2016/10/24
yraurb
4
図書館本。安野光雅と美智子上皇后陛下の組み合わせにびっくりして手に取った。経緯は本に記述があった。正直に言えばトリッキーな絵を期待してたのだがそんな訳はなく、御歌に対して終始丁寧な解説と端的な線で描かれた花々の絵が添えられており、全体に穏やかで上品な読み心地の本だった。それだけに最後の「加冠の儀」の章は胸に来るものがあった。美智子上皇后陛下のお子様方に向けられる愛がすごい。2023/02/23
mako
4
震災の被災地やハンセン病患者の療養所での歌、そして家族を詠んだ歌、それぞれにいい。安野光雅画伯の温かい絵にも癒された。2022/11/10