朝日文庫
神と私―人生の真実を求めて

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  • サイズ 文庫判/ページ数 304,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022616647
  • NDC分類 190.4
  • Cコード C0195

内容説明

遠藤周作が生涯を賭して追究した7つの主題、「人間」「愛」「罪」「いのち」「信仰」「宗教」「神」。今なお色あせることなく人々を魅了する小説やエッセイの中から、これら普遍的テーマに即して選んだ言葉を集めたアンソロジー。哀しくも温かいこの言葉たちこそ、氏が求め続けた真実への“軌跡”である。

目次

人間について 神のみが“本当の私”を知っている
愛について 愛は見捨てない
罪について 罪は救いと背中あわせである
いのちについて すべてを神に委ねる
信仰について 信仰とは99パーセントの疑いと1パーセントの希望である
宗教について 母なる宗教を求めて
神について 神は存在ではなく、働きである
遠藤周作のキリスト教観 日本人の心にあうキリスト教を求めて―山折哲雄

著者等紹介

遠藤周作[エンドウシュウサク]
1923年東京生まれ。慶應義塾大学仏文科卒。学生時代から「三田文学」にエッセイや評論を発表。55年『白い人』で芥川賞、66年『沈黙』で谷崎潤一郎賞受賞。95年文化勲章受章。『海と毒薬』などの純文学と、『狐狸庵閑話』などのエッセイや『おバカさん』などのユーモア小説を書き分ける。96年9月、逝去

山折哲雄[ヤマオリテツオ]
1931年サンフランシスコ生まれ。宗教学者、評論家。東北大学文学部卒。駒澤大学文学部助教授、国立歴史民俗博物館教授などを経て、国際日本文化研究センター名誉教授。2002年『愛欲の精神史』で和辻哲郎文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かやは

9
​遠藤周作の著作から、信仰や宗教に関する文章を抜粋して紹介している一冊。人が幸福になるためには、心が満たさないといけない。その方法が、仏教ではさとりであり、基督教では神の愛であったりする。自分自身の信じる心をもって、心を満たさないといけない。物質的な何かや、他人から受ける愛だけでは満たされないのである。人にとって真に意味のあることは、現実世界には存在しない。日本人として基督教を信仰した遠藤周作がたどり着いた答え。異文化と異文化が混じり合うことで産まれる「雑種」の強さを感じた。2017/02/20

camus

5
遠藤周作のイエスキリスト解釈を深く学ぶなら「イエスの生涯」「キリストの誕生」といった著作を読むのが一番だろうけど、全ての著作を網羅的に引用し彼の宗教理解を綴ったエッセイ集。キリスト教の考察には即興の時事批評とは違った真摯さが感じられる。ここら辺は狐狸庵先生とは違った真面目な遠藤周作の一面だろう。キリスト教の理解に神学よりも宗教文学の方が彼には合っていたようだ。愛や信仰に関する考察は、現代科学や現代哲学とは相容れない部分があるのでないかと感じてしまった。本人の痛みや孤独感は本当に誰かと共有できるんだろうか?2016/10/19

袖崎いたる

4
遠藤周作のキリスト教観アンソロジー。「私は人によく言うのですが、君は神様は問題にしないかもしれないけど、神様は君を問題にしているのだ、問題にしている以上は、形を変えていろんなことを神様はやってくださっていると。神様はいいほうに向かわせてくれるという一種の信頼感があります。だから、私は信仰を強制する気は全くない。」『私にとって神とは』より、本書のp261。……ここでいう〈問題にする/される〉って一念には凄まじいものがある。2022/06/22

amanon

3
今、いわゆる平信徒の立場からキリスト教について、これだけ深くしかも平易に語れる人がいるだろうか?というより、かつては一つの流れとしたあった、キリスト教文学というのは、最早過去のものとなったのか?そんなことを思わされた。先に読んだ『ぼくは~』と同じく、いまだキリスト教後進国において、キリスト教を信仰するとは、いかなることか?ということについて深い知見が散りばめられている。かつて、著者独自のキリスト教観は一部で非難されたようだが、日本におけるキリスト教受容について考える際、今でも大いに示唆的であると言える。2017/01/16

きょう

1
遠藤周作の宗教に対する考え方、価値観に触れられたと思う。自分には、人生を通してここまで深く思案できるようなことがらがあるだろうかと思った。2015/07/01

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